年金は何年で元が取れるの?
年金は約10年で元が取れる
若い世代ほど、「公的年金は損だ」「年金の保険料を支払うのはもったいない」と思っている人が多いのではないでしょうか。
実は、2024年現在の保険料と年金額で計算すると(40年間きちんと保険料を支払った場合)、国民年金のみの加入者は10年程度、厚生年金加入者は9年弱で、支払った保険料と同等の額を受け取ることができる、つまり元が取れる計算になるのです(図2)。
さらに、例えば夫が会社員や公務員で妻が専業主婦だった場合、なんと6年ほどで元を取ることができる計算になります。
年金は保障の手厚い保険
そのうえ、年金は一生涯受け取れますし、遺族や障害の保障もついています。さらに、公的年金の保険料は国や企業が半分負担してくれます。公的年金は、まさに手厚い保障のついた保険だといえるでしょう。
年金減でも損しない可能性大
とはいえ、今後さらに少子高齢化が進めば、マクロ経済スライドと呼ばれる年金額調整の仕組みによって、実質的に年金額は減ります。
仮に、年1%ずつ年金額が減っていくものとして同様の計算をしてみると、減らない場合と比べて、同等額を受け取るまでの年数が1年ほど延びる程度であることがわかりました。多くの人にとって、公的年金は決して損というわけではなさそうです。
菱田 雅生
ライフアセットコンサルティング株式会社 代表取締役
ファイナンシャルプランナー