「ちょっと話がある」←離婚の切り出し方で使わないほうがよいワケ【弁護士が解説】

「ちょっと話がある」←離婚の切り出し方で使わないほうがよいワケ【弁護士が解説】

普通のカップルであっても、一方的に別れを切り出すのは難しいものです。結婚しているとなるとさらにハードルが高まるでしょう。法律によって婚姻関係が認められているものを解消するのですから、揉めてしまうと裁判になるなど想像以上に大事となる可能性も。本記事では、Authense法律事務所の離婚問題に精通する白谷英恵弁護士が、離婚を上手く相手に切り出す方法について解説していきます。

離婚を切りだせない…気持ちを上手く相手に伝える方法

DVや不貞など、具体的な理由があれば離婚を切り出しやすいものですが、価値観が合わない、いつの間にか嫌悪感が蓄積していたといったことが理由の場合は、離婚を切り出しづらいものです。

 

しかし、離婚したい気持ちを抱えたまま夫婦生活を続けても幸せにはなれませんから、気持ちを上手く伝える準備をしておきましょう。

離婚するのに適している3つのタイミング

離婚に適した3つのタイミング
[図表1]離婚に適した3つのタイミング

 

離婚をすると生活環境が変わりますから、子どものことや家族の状況も加味しなくてはいけません。ライフステージによっては相手が受け入れやすいこともあるので、離婚をするのに最も適したタイミングを見極めておきましょう。

 

1.パートナーの定年や転職のタイミング

定年や転職など、今までとは違うライフスタイルになるタイミングは、離婚のことを切り出しやすいです。パートナーにとっては突然の離婚話であっても、人生の転機ですから、それに合わせてある程度冷静にこれからの人生を考えて離婚を検討してもらえる傾向にあります。

 

また、定年退職のタイミングであれば、退職金を分けて、離婚後の生活資金の当てもできます。定年や転職など新しい人生をスタートさせるときは気持ちも切り替えやすいですから、適したタイミングといえるでしょう。

 

2.子どもがいる場合は幼少時もしくは自立したあと

子どもがまだ小さい場合は、親の揉めごとを理解するようになる前に離婚を切り出すのがベストです。パートナーが納得して離婚するまでには時間がかかるかもしれませんから、そのあいだは家庭内の雰囲気が悪くなります。もちろん小さいときでも雰囲気を察知しますが、離婚を理解できる年齢になっていなければ子どもの心へのダメージを軽減できます。

 

小学校中学年以降になってしまうと、親の離婚による心の傷が最も大きく出る年齢になるので、できれば精神的に自立し始める高校生や大学生になるまで待ったほうがいいかもしれません。子どもの気持ちを優先できる状態であれば、高校卒業や金銭の負担が減る大学卒業、成人のタイミングが理想的です。

 

3.自分が冷静に離婚を伝える用意ができたとき

定年まで待てない、子どもの成長も待てないという場合は、自分が落ち着いて離婚の意思を伝えられるときが最も適したタイミングになります。普通の生活のなかでは、なかなか離婚を切り出すタイミングというものはありません。どんなタイミングであってもパートナーは驚きや怒り、悲しみなど負の感情を抱くことになります。だからこそ、相手がどのような態度であっても冷静に対応できる時が適しているのです。相手の感情に合わせて自分の感情もアップダウンしてしまうと、離婚の話はスムーズに進められません。

 

ただ、パートナーが仕事で疲れきっていたり、離婚のこと以外で揉めごとがあったりするときは、感情的になりやすいのでやめておきましょう。離婚の話をしたあとに、パートナーがゆっくり考える時間が取れる休日や休日前の夜など、離婚の話を先延ばしにしないタイミングを選んでください。

 

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