40代の会社員女性…兄と弟に母親の介護を押し付けられ、疲弊
介護負担の重さについては、しばしばマスコミでも報道されているとおりだ。実際に、身近な人が介護と向き合い、実情を見聞きしている人、当事者の声を聞いている人も多いに違いない。
厚生労働省『令和4年国民生活基礎調査』によると、主な介護者が「ほとんど終日介護にあたったいる」という割合は、「要介護1」では11.8%だが、「要介護2」は17.0%、「要介護3」は31.9%、「要介護4」は41.2%、「要介護5」は63.1%…と、介護度が重くなるほど、負担も重くなっていく。
横浜市在住の40代のある女性は、実家で独居生活を送っている母親の介護に疲れ切っていた。父親は3年前に亡くなったという。
「私は3人きょうだいの真ん中で、私と2つ違いの兄と弟がいますが…」
きょうだいはいずれも実家の近隣エリア在住で、電車で10~30分程度。しかし、兄と弟は仕事を理由に母親のサポートに手を出さず、それぞれの妻も「介護は実子」と主張し、一切手助けをしてくれない。
「私だって会社員です。夫は激務で頼れないし、小学生の末っ子の世話もあります。会社帰りに立ち寄って、土日に足を運んで、もうヘトヘトです…」
可能な限り介護サービスを活用しようとしたが、「なぜ実の娘がいるのに、他人の手を借りる必要があるのか」と母親の逆鱗に触れた。
「挙句の果てには〈介護しない娘には、遺産は一切やらない〉とまで言われてしまい…。なんていう言い草なのかと。自分の母親ですが、あまりのワガママに呆れました」