AさんがFPと作成した“完璧な相続案”
税理士からアドバイスをもらったA夫婦と長男は、次に旧知のファイナンシャルプランナーである筆者のもとを訪れました。聞くと、相続について相談したいとのことでした。
C税理士の話を含めた一連の話を聞いた筆者は、まず状況を整理します。
Aさん(69歳)は現在、老齢厚生年金を約200万円(月16.6万円)受給しています。妻のBさん(64歳)は、事業所得が年間約180万円(月15万円)で、貯蓄は300万円ほど。また、今年の秋から老齢厚生年金を92万円(月7.6万円)受給見込で、夫婦の年金収入は、あわせて292万円(月24.4万円)となる予定です。
筆者がA夫婦の作成したプランを拝見したところ、今後の医療費や介護費が計上されていないことに気づきました。そこで、その費用を500万円としてあらかじめ貯蓄から除き、貯蓄残高を800万円として考えます。
生活費は毎月3万円ずつAさんの貯蓄から取り崩すことに。20年間、Aさんが89歳になるまで取り崩すとその総額は720万円となり、貯蓄はほぼすべて、A夫婦が消費することになります。物価の上昇はあるといえども、年齢とともに消費額は減るため、家計が破産する心配はないでしょう。
長女に400万円分、長男に2,800万円分を相続させる“完璧な相続案”
ここからは本題の相続について話を聞きます。
A夫婦の相続の対象となる資産は、[図表]の株式・投資信託や自宅の建物、自宅の土地の3,200万円となります。ここに、長女が自宅の分譲マンションを購入した際、相続時精算課税を使って生前贈与した800万円を含めると、合計4,000万円です。
この4,000万円が遺産総額となれば、相続税の基礎控除額内(3,000万円+(600万円×3人)=4,800万円)に納まります。そして、2人の子どもが均等に分割すると2,000万円ずつとなります。この場合、遺留分※相当額はこの2分の1の1,000万円です。
※ 遺留分……民法で定められた法定相続人(兄弟姉妹以外)が最低限相続できる割合のこと。配偶者や子どもは、法定相続割合の2分の1。
そこで、Aさんは株式・投資信託の400万円を長女に、、長男には自宅の土地建物2,800万円を相続すると決めました。
この案では、2人とも相続する額は1,200万円の遺留分を超えます。また長女にいままでに渡した分を合計すれば、長男の相続額と同額になります。AさんはFPの説明を聞き、「おお、現実的なプランになりましたね」と満足しました。
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