(※写真はイメージです/PIXTA)

ネット上で誹謗中傷などの被害に遭った際、投稿者の身元を知る手がかりとなるのが、ネットワークに接続されているスマホやPCなどに割り振られた番号です。これを「IPアドレス」といいます。本記事では、IPアドレスを活用したネット上の誹謗中傷トラブルへの対処について、Authense法律事務所の弁護士が解説します。

IPアドレスから住所・氏名を特定する方法

IPアドレスや接続プロバイダが判明したら、それらの情報をもとに相手の住所・氏名の特定を目指します。その方法は、次のとおりです。

 

接続プロバイダに情報開示請求をする

IPアドレスなどがわかったら、投稿者が接続に使用したプロバイダ(KDDIやNTTなど)へ契約者の情報開示を求めます。こちらも、任意での(裁判外での)開示には応じてもらえない可能性が高いため、裁判所へ発信者情報開示請求訴訟を申し立てて行うことが一般的です。開示が認められると、契約者の住所や氏名などを特定できます。

発信者のIPアドレスや住所氏名を特定するためのポイント

インターネット上で名誉毀損などの被害に遭った場合、発信者のIPアドレスや住所氏名の特定を成功させるためには、どのような点に注意すればよいでしょうか? 投稿者を特定するためのポイントは次のとおりです。

 

できるだけ早期にとりかかる

インターネット上で名誉毀損などの被害に遭ったら、できるだけ早期にとりかかることをおすすめします。なぜなら、ログは永久に保存されるわけではなく、一定期間が過ぎると消去されてしまうためです。

 

ログが消去されてしまったあとでは、いくら悪質な投稿であってもIPアドレスなどの開示を受け相手を特定することはできなくなります。ログの保存期間はプロバイダによって異なるものの、3ヵ月や6ヵ月程度とされていることが一般的です。そのため、インターネット上での権利侵害がされた場合の法的措置は時間との勝負であるといえます。

 

名誉毀損など権利侵害がなされたら、1人で長期間悩むのではなく、その日や翌日などできるだけ早期に弁護士へコンタクトをとるようにしてください。

 

誹謗中傷などの被害に遭ったらすぐに証拠を残す

インターネット上で誹謗中傷などの権利侵害がなされたら、すぐに投稿の証拠を残しましょう。IPアドレスなどの開示を求めて開示請求をして相手を特定するには、裁判所に権利侵害があった旨の主張をする必要があるところ、証拠がなければ開示を認めてもらうことができないためです。

 

また、インターネット上の投稿はいつまでも残っているとは限らず、投稿者が自ら削除したりほかのユーザーが管理者に通報したりすることで消えてしまう可能性があります。そのため、権利侵害の投稿を見つけたらその場ですぐにスクリーンショットを撮影して証拠を残すことをおすすめします。

 

スクリーンショットは、次の情報などが掲載されるように撮影してください(※あくまでも一例であり、すべてのコンテンツプロバイダに対応したものではありません)。

 

・投稿の内容
・投稿のURL
・投稿の日時
・誹謗中傷などの投稿にまつわる一連の投稿内容
・誹謗中傷投稿をした者のユーザー名等(Xの場合、「@」から始まるもの)

 

なお、スマートフォンからスクリーンショットを撮影する場合は、URLなどの表示が不完全となる可能性があります。そのため、スマートフォンではなく、可能な限りパソコンからスクリーンショットを撮影することをおすすめします。

 

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