ポイント4:期待利回り
大きなキャピタルゲインを狙うなら、不動産よりも株がお勧めです。やはり、不動産は株に比べてキャピタルゲインが少なくなる傾向があります。
ただ、不動産のメリットは、毎月のインカムゲインを得ながら、売却時のキャピタルゲインが狙えるところです。しかし、いくら海外不動産が高い利回りを期待できるからと言って、「業者に言われたままに購入したら、実際に手元に残る実質利回りは3%だった……」という事態になることもあります。
実際フィリピンでも、市場の相場の2倍で売られるような物件もあり、本当に、国内不動産と比べて利回りが高いのかを吟味する必要があるでしょう。
しかし、きちんと精査して選択した海外不動産なら、日本の国内不動産よりも高い利回りが実現できます。このとき、実際に手元に残るキャッシュで実質利回りを計算して、シビアに選ぶ必要があります。
ポイント5:為替の変動
ポイント1から4まで見てきましたが、この4つが安定していても、為替の変動が大き過ぎる場合は高いリスクが存在しています。海外不動産を購入して、物件価格が上昇してキャピタルゲインを得られると思った矢先に、通貨価値が一気に暴落する可能性もあるからです。その結果、物件価値が購入時と同じ水準に戻る可能性もゼロではありません。
私はエジプトの不動産も所有していますが、購入時よりも物件価格は上昇しました。まだ売却していませんが、エジプトポンドベースではキャピタルゲインが出る見込みです。
しかし、エジプトポンドが1ポンド=7円から4.5円まで暴落し、通貨価値は約35%下がったのです。このような状況では、いくら物件価格が35%上昇したとしても、通貨価値が35%低下したら、物件価値は購入時と同じになってしまいます。
また、エジプトは軍事政権でもあり、国としてのデフォルトリスクが発生するほか、国境に接したスーダンでは、現在クーデターが発生しました。経済成長や人口だけでなく、為替に影響をあたえる政治情勢や外交状況等を私も注視しながら、売却するかどうかを見極める必要があると感じています。
このように、為替の変動によって、大きく不動産価値も変動するリスクを秘めています。
以上、海外不動産購入時の5つのチェックポイントについて説明してきました。海外不動産を購入する際には、総合的にマーケットを選ぶ必要があります。ぜひ、参考にしてください。
町田建登
ライフシフト合同会社 代表
※本記事は『フィリピン不動産投資術 ~月6万円から始められる年利8%のホテル投資のコツ~』(ビジネス教育出版社)の一部を抜粋し、THE GOLD ONLINE編集部が本文を一部改変しております。
注目のセミナー情報
【相続・事業承継】10月9日(水)開催
遺す家族を揉めさせない…
「相続対策」の方法をFPが徹底解説!
【資産運用】10月12日(土)開催
〈会計士・証券アナリスト資格保有〉
お金のプロが徹底解説…大波乱相場!「NISA」で資産を守る方法
【海外不動産】10月16日(水)開催
2024年からの海外不動産投資戦略
躍進する「マレーシア・クアラルンプール」の
急成長期待エリアで勝つ方法
【関連記事】
■税務調査官「出身はどちらですか?」の真意…税務調査で“やり手の調査官”が聞いてくる「3つの質問」【税理士が解説】
■月22万円もらえるはずが…65歳・元会社員夫婦「年金ルール」知らず、想定外の年金減額「何かの間違いでは?」
■「もはや無法地帯」2億円・港区の超高級タワマンで起きている異変…世帯年収2000万円の男性が〈豊洲タワマンからの転居〉を大後悔するワケ
■「NISAで1,300万円消えた…。」銀行員のアドバイスで、退職金運用を始めた“年金25万円の60代夫婦”…年金に上乗せでゆとりの老後のはずが、一転、破産危機【FPが解説】
■「銀行員の助言どおり、祖母から年100万円ずつ生前贈与を受けました」→税務調査官「これは贈与になりません」…否認されないための4つのポイント【税理士が解説】