ディベロッパーが出してきた数字を鵜呑みにしてはいけない
私がおすすめしているのはフィリピンの不動産、なかでもホテルに投資することです。しかし、フィリピンのホテルを購入する際には、ディベロッパー会社の見極めも忘れてはいけません。販売したら終わりと考えて、購入後のサポートが全くない会社も存在します。
ディベロッパーだけでなく日本人ブローカーも同じなのですが、彼らのビジネスとしては、売った時点で手数料が入ります。そうなると、プレセール物件を売ってしまえば、手数料が入り仕事を終了。お客さんと一緒にホテルが建つまで伴走しようという気持ちがない会社も出てきてしまうのです。売るのがゴールになっている会社は、アフターフォローが全くない場合があるので、要注意です。
そもそも、不動産を購入するときに、想定の賃貸収入や物件価格上昇の予想を説明しない会社からは買ってはいけません。そして、出してきたシミュレーションの数字が本当に現実的に可能かどうかは絶対に見なくてはいけません。
出てきた想定よりもホテルの稼働率からマイナス10%やマイナス20%になった時でも、利回りが確保できるのかは計算しておきましょう。万が一、想定利回りが出なくても、最低でもこのぐらいの収益は得られると思えると安心できます。
さらに、ディベロッパーが出してきた数字も鵜呑みにしてはいけません。私はあるディベロッパー会社にプレセール物件の第1フェーズの段階で資料を請求したことがあります。その後、物件がある程度売れて価格が上昇した第2フェーズの段階でも同じ資料を再度請求しました。
驚くべきことに、第2フェーズの資料を見ると、第1フェーズでは1泊5,000ペソで計算していた宿泊費が、さりげなく1泊6,000ペソに上がっていたのです。つまり、物件価格が上昇すると想定利回りが下がり販売するのが少し難しくなるため、宿泊費を高く設定することで、想定利回りに下駄をはかせて高く見せたわけです。
この対応は、さすがにおかしいと思います。そもそも、最初の宿泊費はどういう計算で設定したのかも気になりますし、まだホテルが建設前なのにさりげなく宿泊費を上げる根拠がないからです。この辺りは、しっかりとこちらで見破る必要があると思います。