(※写真はイメージです/PIXTA)

会社の経営状況を向上させるにはまず何から取り組めばいいでしょうか? その答えのヒントは決算書に記されています。本記事では決算書から分かることや、融資を担当する銀行員が見ているポイント等、決算書の使い方を経営コンサルタントの石原尚幸氏が詳しく解説します。

決算書で分かること

決算書とは損益計算書(以下、PL)と貸借対照表(以下、BS)の総称です。皆さんがよく見るのは売上と利益がわかるPLでしょう。ですが、実はPLだけでは会社の力量は判断できません。私が最初に見るのはBSです。

 

決算書
[図表1]左側/損益計算書(以下、PL)、右側/貸借対照表(以下、BS)

 


BSは右側が資金の調達方法。どこからお金を入れて何に使っているかを表しています。短期的に返さないといけないお金を流動負債。長い期間(1年以上)借りるお金が固定負債、返さなくていいのが純資産です。

 

BSはの左側は資金の運用方法。調達したお金を何に使っているかを表したものです。すぐにお金に変えられる現金、売掛金、在庫を流動資産、土地・建物等の現金化しづらいものを固定資産と分類します。

 

見てほしいのはBSの合計額。この会社はどれだけ資産をもっているか、いわゆる「総資産」です。この総資産に対して何%利益を上げているか、これが世に言うリターン・オン・アセット(以下、ROA)です。

 

不動産や株で投資すると利回りを問われます。1,000万投資して100万円の利益なら利回り10%です。投資ファンドや不動産業の人たちは7%から8%の利回りを目標としています。7%利回りを10年続けると元本が倍になるからです。

 

商売も同じ見方をしてみます。何らかの手段でお金を調達し、調達した資金を商品や土地、建物といった資産に変えます。そして、その資産を使い売上と利益を上げに行く。これが商売の流れであり、ROAがその会社の力量となります。ROAが高ければ高いほど経営者の手腕が高いと言えますよね。ROAが低い場合は残念ながらその会社の経営の力量が低いということです。

ビジネスの基本的な考え方

お金を調達して、資産に変えて、商売をする。商売した結果何パーセントの利益を残せたか、商売の原点です。銀行から連帯保証までついてお金を借りて、社員に頑張ってもらって、結果、何%残せたかがわかってしまいます。

 

今の日本の企業の平均値でいけば5パー超えたら優秀です。低金利ですから2%で借りて、5%の利回りを残せればお金は残せます。

 

ですが、今後インフレとなり金利が上がっていくと利回りを上げていかなければいけません。まずは、自社の決算書を持ってきて、あなたの会社のROA(経常利益÷総資産✖100%)を出してみてください。銀行もこの数字は見ています。

 

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