経営の指標となる利回り(ROA)とは?
経営とは何ぞや? この疑問に答えるのは簡単ではありませんが、ここでは思い切って定義をしてみましょう。
経営とは資金調達から始まり、資産を運用し、売上と利益を上げる活動です([図表1]参照)
まず、会社には必ず資本金([図表1]右下)があります。経営者の皆さんは、最初に自分のお金を資本金として会社に出資しているわけです。資本金が足りなければ、銀行から借入れをします([図表1]右上)。こうして事業に必要なお金を得ることが、いわゆる資金調達です。
調達した資金を、土地や建物、商品在庫などの資産に変えます([図表1]中央)。これが運用です。さらに資産を使って売上を立てにいきます。この売上から経費を使って残ったものが会社の利益となります([図表1]左)。
このように順を追って考えていくと、経営とは「資金を調達し、資産を運用して売上を上げ、利益を残すこと」と定義することができます。
つまり、経営者に求められる手腕とは「総資産を有効活用して、どれだけの利益を上げられているか」詰まるところ「どれだけの『利回り』を上げられているか」この1点に集約されます。
経営の「利回り」は「ROA(リターン・オブ・アセット)」で表せます。
ROAは、「経常利益÷総資産✕100%」で表されます。このROAが高ければ高いほどいいわけです。([図表2]参照)
ROAを上げる2つのポイント、「経常利益」と「総資産」
では、このROAを上げるために経営者は何をすればいいか?
経営者がやるべきことはたったの2つです。その①「経常利益を上げる」、その②「総資産を圧縮する」以上です。
たとえるなら、ブヨブヨと脂肪太りした状態でバーベルを上げるのではなく、ギュッと引き締まった筋肉質の体で、重いバーベルを沢山持ち上げるイメージです。
筋肉質の体で沢山稼ぐと、効率がいい。これからの時代に求められるのは、こうした強く逞しい経営体質です。
その①「経常利益を上げる」、その②「総資産を圧縮する」がどうすれば改善できるかを「ROAドリルダウンシート」[図表3]を使って見ていくことができます。
ROAドリルダウンシートで分解したものを1つ1つ改善していけば、結果的にROAが上がる仕組みになっています。
経常利益を上げるために経営者がやるべき3つのこと
経常利益を上げるためにやれることは3つ。
1つ目は「粗利を上げる」、2つ目は「固定費を減らす」、そして最後に「営業外で利益を上げる」ことです。