会社の経営状況を向上させるにはまず何から取り組めばいいでしょうか? その答えのヒントは決算書に記されています。本記事では決算書から分かることや、融資を担当する銀行員が見ているポイント等、決算書の使い方を経営コンサルタントの石原尚幸氏が詳しく解説します。
ROAを上げるにはどうしたらいいか?
問題は、ROAを上げるにはどうしたらいいか? 下記2つの方法が挙げられます。
ROAを上げるためにやるべきこと
- (今の経営資源を有効活用して)利益を上げる
- 資産を圧縮する
1. (今の経営資源を有効活用して)利益を上げる
利益を上げるのは、わかりやすいでしょう。
◆利益を上げるためには
粗利(粗利 = 売上高 - 売上原価)を上げるか、固定費を減らす
◆粗利を上げるためには
客数を増やすか、客単価を上げる
◆固定費を減らすためには
戦略経費(広告宣伝費、販促費等)、運営経費(水道光熱費、雑費等)、設備費(賃料等)ごとに総点検する
2. 資産を圧縮する
次に、資産を圧縮する策を考えます。多くの人が行わないのがこちらです。BSは皆さん嫌いですからね(笑)ですが、BSの方にこそ改善の余地が埋まっています。総資産は増やすことも大切ですが、増えた資産が利益を上げるために活用されていなければ意味がありません。たくさん食べて体が大きくなっても贅肉だらけでは動けないのと同じです。筋肉質な引き締まった身体をもちたいものです。
会社の資産を筋肉質な体にするための重要ポイントは3つ。売掛金、在庫、遊休資産です。
(ポイント1)売掛金の回転日数(売掛金÷月商(月平均の売上高)✖30(日))
売掛金を月商で割り、30を掛けると売上が経ってから何日で回収できているかがわかります。売掛金とはいわば「つけ払い」です。この日数が長いと、それだけ資金が必要となります。
また、いくら商品が売れても回収できていなければそれは商売ではありません。ただのボランティアです。売掛サイトのルールが曖昧になっていませんか?
締め日を決め、契約書を結び、一日でも遅れたらすぐに飛んで回収する。そして、今の売掛サイトが長い先は1日でも短くしてもらう、この努力が必要です。
長いこと商売してれば色々な事情で3ヵ月、半年払ってくれませんというお客さんもいるでしょう。ですがそれを放置してはいけません。売掛サイトが長ければその分会社、借金とリスクを背負うことになります。
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株式会社プレジデンツビジョン 代表取締役
1973年、愛知県名古屋市生まれ。
コーヒー卸商「石原珈琲商会」の三男として育つ。幼少の頃から父の配達についていき、「明日の売上がなかったら、お前の目の前のごはんは食べられないんだぞ」と言葉をかけられていたのが、商売の原点。上智大学経済学部経営学科卒業後、大手石油元売に入社。日本一ガソリン代が安い激戦区に担当営業として赴任。赤字となってしまった大手特約店にて、2年間で3億円のV字回復を実現したことが評価され、31歳で社長賞を受賞。34歳で独立起業後は、現場で培った経営ノウハウにファイナンシャルプランナー資格(1級FP技能士)、MBA修得で得た知見も併せ、成果にコミットするV字回復メソッドを体系化。「売上に偶然はあるが、利益に偶然はない」という理念のもと、社外にいるものの、社長の傍らに寄り添う「社外参謀」としてクライアントのビジョン実現へ邁進している。直近では「父が子に伝える13歳からのお金に一生困らないたった3つの考え方」を上梓し、お金と賢く付き合うやり方と考え方をわかりやすく伝える活動も行っている。
【公式サイト】
株式会社プレジデンツビジョン:https://presidents-vision.com/
ジャパンコンサルティングファーム株式会社:http://www.japan-cf.com/
【資格等】
・1級FP技能士
・ビジネス・ブレークスルー大学大学院MBA(経営管理修士・専門職)
【主催する団体】
・ジャパンコンサルティングファーム(株) 代表取締役会長
・五つ星★メンバーシップ 主宰
【著書】
『社長!お金は「ここだけ」押さえれば会社は潰れない〜2枚のシートで利益とキャッシュを確実に残す!(ダイヤモンド社)』
『父が子に伝える13歳からのお金に一生困らないたった3つの考え方(三笠書房)』
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