(※写真はイメージです/PIXTA)

家族のため、自分のため、高い給与を得るために多くの人が試みる「転職」。しかし、残念なことにうまくいくケースばかりではない。ある夫婦の例から、実情を探る。

うなされるほどのパワハラ…ある日、泥まみれで帰宅して

40代の専業主婦の女性は、頭を抱える。

 

「今年に入ってから、夫の様子が少しおかしいと思っていたんです…」

 

女性は同い年の夫と、小学校高学年の男児の3人家族。夫は子どもの教育費の確保とマイホーム購入を実現するため、2年前に転職し、数百万円の年収アップを果たしていた。

 

「夫の仕事は営業で、給料が高いだけあって深夜残業もあるなど、かなりハードでした。でも、これまでは〈疲れた〉ということはあっても、気分の落ち込みなどは見られなかったのですが…」

 

夫はだんだんふさぎ込むようになり、叫ぶような激しい寝言が増えてきたという。驚いた女性が夫を起こすと、目を見開き、おびえたように室内を見渡すようなそぶりを見せた。

 

「〈うなされてたわよ、大丈夫?〉といっても、黙り込むだけで…」

 

そのうち夫は、食欲が落ち、痩せてきた。日曜日の夜には、飲めないアルコールを無理やり飲むなど、これまでにない変化が出てきたという。

 

「心配して〈お願い、仕事を少し休んで〉といったら、〈うるさい、休めるわけないだろう!〉と怒鳴られてしまって…。夫はすごく温厚なタイプで、大声を出すことなんてこれまで一度もなかったのに」

 

それから数週間後、ほとんどアルコールが飲めない夫が、明け方近くに酩酊した状態で帰宅した。足元はおぼつかず、どこかで転んだのか、コートは泥まみれだった。

 

「玄関先でコートと靴を脱がせていたら、突然大声で夫が泣き出してしまったんです」

 

女性は驚きのあまり、言葉を失った。そして、夫をリビングまでどうにか誘導し、ソファに寝かせた。

 

「明るくなってから目覚めた夫はまた、声をあげて泣き始めて。新しい上司の下に配属されれからずっと、激しいパワハラを受けていて、精神的にもう限界だ、退職したいと。様子を見てきた私も、もうこれは退職しかないと思いまして…」

 

ブラック企業に新卒で入社した就職氷河期世代のなかには、この例の女性の夫同様、激しいパワハラ被害に遭った人もいるようだ。下記は、この例とは別の就職氷河期世代の男性が語った、就職先の金融会社で受けたパワハラの一部だというが、これはかなりすさまじい。

 

●電話をかける手が止まると、上司が灰皿やゴミ箱、傘を投げつける

●契約が取れないと、イスや机を蹴り飛ばされる

●さらに一定期間以上契約が取れないと、全従業員の前で土下座、罵倒される

 

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