(※写真はイメージです/PIXTA)

高齢者の住まいとして有効な選択肢となる「老人ホーム」。終の棲家との認識を持つ人は多いが、必ずしもそうとは言い切れないようだ。実情を見ていく。

「家事能力ゼロ」の70代父…母が亡くなり呆然自失

都内在住の40代の男性は、70代の父親の今後について頭を痛めていた。

 

「去年の秋口に母が急死してしまい、78歳の父が残されました。父は日常生活のすべてを母に頼っていたため、家事全般は一切何もできません…」

 

男性の父親は幸い健康で持病もなく、頭もシッカリしており、介護が必要な状況ではない。そのため、とりあえず長男である男性の自宅に引き取り、食事や洗濯など、身の回りのことだけ世話をするのはどうか…と、妻に持ち掛けたところ、妻はそれを拒否。現状ではなんとか乗り切れても、共働きのため、今後父親が弱ってくれば、夫婦のいずれかが介護離職に至る可能性があり、そうなれば、夫婦の老後資産の計画が狂ってしまうというのだ。

 

「自宅にひとり置いておくのも心配ですが、行政の手を借りる段階ではありません。一体どうしたらいいのかと困っていたら、妻が〈サ高住〉のパンフレットを持ってきたのです」

 

父親の住まいと、男性の自宅の中間あたりにあるサ高住は、下記の条件をそろえていた。

 

●外出自由

●クリニック併設、日中は看護師常駐

●介護スタッフは24時間常駐

●自立~要介護5まで対応

●終身利用可

 

「あなた、ここならお義父さんにピッタリじゃない? 元気なうちは自由に過ごせるし、万一のことがあっても、医療・介護体制もあるし、まだまだ先の話だと思うけれど、看取りまでしてもらえるなら、ずっと同じところに落ち着いていられるし…」

 

「ほんとだ、ここならいいな!」

 

男性はパンフレットをもって実家に出向き、父親に入居を打診した。

 

費用面は「入居時50万円」「月額費用22万円」ほど。父親の年金は月18万円(手取り15万円強)程度であり、実家を売却すれば費用面の負担も心配なさそうである。

 

話を聞いた父親もすっかり乗り気に。いまは家事サービスでどうにか対処しているが、それだけでは補いきれない日常の不便があるのだろう。

 

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