母への仕送り、母が私名義の口座に貯金…このお金はだれのもの?
50代女性です。郷里の母が亡くなったため、遺品整理を行っていたら、私名義の銀行口座を発見しました。中を確認したところ、約2,000万円の預貯金がありました。
亡き母はシングルマザーで、私が子どものころは生活が厳しく、高校生のときはアルバイト代全額を母に渡すような生活でした。大学は奨学金を借りて卒業し、就職してからは約30年間、毎月仕送りをしてきました。
口座の記録を調べたところ、口座を開設したのは母が離婚した年で、そのころには恐らく父の養育費と思われる定期的な入金があったほか、不定期に母の口座から送金されている振込もありました。私が就職した年からは、おそらく私の仕送りだと思われるお金が定期的に入金されています。
そこで思ったのは「この銀行口座は名義預金なのか?」ということです。少なくとも、母に送金した私のお金を、私名義の口座に入金したのであれば、これは名義預金ではなく、私のお金ではないのでしょうか?
残念ながら、相続税が課税される可能性が高い
「長年親に仕送りしていて…」ということであれば、基本的に相続時に課税されると考えられます。
まったく動かしていないお金の場合「名義預金認定」されることが多くあります。
具体的には、親が子どもの名義で預金を作り、まったく動かしていなかった場合などが典型例です。
ここでの名義預金とされるポイントは、
「名義は子だが、管理実態は親にある」
という点があげられます。
そのことから「子の名義でも、親のお金である」という理屈になるのです。
そのため、子どもからの仕送りとはいえ、完全に子の管理下を離れ、親が自由に処分できるお金になっているため、実態としても親のお金といえそうです。
以上から、税務署はあくまでも「親のお金」と認定する可能性が高く、相続税が課税される可能性が高いといえます。
山村 暢彦
山村法律事務所 代表弁護士
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