(※写真はイメージです/PIXTA)

老後、いったいどのくらいお金を持っていれば安心なのか……平均寿命が伸び続けるなか、昨今の物価上昇もあり、老後生活に不安を抱く人は多いでしょう。しかし、過度な不安は、かえって事態を悪化させることもあるため、注意が必要です。老後、家族に迷惑をかけないために知っておきたいお金のことを、牧野FP事務所の牧野寿和CFPが事例を交えて解説します。

老後2,000万円問題、物価上昇で「老後4,000万円問題」に?

老後の生活資金は、どれだけあれば大丈夫なのでしょう。誰しもが不安に思っている「老後のおカネ」問題ですが、この不安を助長したのが、2019年6月に金融庁のワーキング・グループが発表した「高齢社会における資産形成・管理」に書かれていた、いわゆる「老後資金2,000万円問題」です。

 

この報告書では、夫65歳以上、妻60歳以上の夫婦のみの無職世帯で、年金収入が月20万9,198円の場合、支出分の26万3,718円を引くと毎月5万4,520円が赤字になることから、

 

約5.5万円×12ヵ月×30年=1,980万円

 

と、平均寿命までに約2,000万円の貯蓄が必要だと指摘されています。これをメディアがこぞって報道したことで、「老後の生活は年金だけでは足りない」と話題になりました。

 

しかし最近、あるテレビ番組で「老後資金4,000万円問題」が報道されたことをご存じでしょうか。

 

2023年、東京都区部の消費者物価指数が3.1%上昇したことから、今後も毎年物価が3.5%ずつ上昇すると仮定すると、10年後の物価は1.41倍に。老後資金は2,820万円必要となり、さらに20年後には3,980万円。老後資金は4,000万円必要だという計算になるそうです。

 

しかし、老後に向けてすべての人に4,000万円の貯蓄が必要かというと、一概にそうとはいえません。世帯ごとの収入や資産、それぞれのお金の使い方によって変わってくるためです。むしろ、過度な心配は冷静な判断力を奪い、思わぬ理由で「老後破産」に陥る危険もあります。

夫亡きあと、戸建てに1人で暮らす75歳のAさん

75歳のAさんは3年前に4歳年上の夫を亡くしており、現在は都内の戸建て住宅にひとりで住んでいます。この戸建ては、亡き夫が40年前に購入したものです。なお、Aさんにはひとり息子のBさん(46歳)がおり、息子は家族で近くの賃貸マンションに暮らしています。

 

Aさんの主な収入は、自身の老齢基礎年金と遺族厚生年金を合わせて、月約13万円(年間約156万円)です。夫が生きていたときは夫婦で月21万円ほど年金を受給していたため、約8万円減少したことになります。

 

※ 65歳以上の単身無職世帯の家計の実収入は13万4,915円。実支出は15万5,495円(消費支出14万3,139円+税金や社会保険料1万2,356円)で、毎月2万0,580円の赤字(総務省「家計調査報告(家計収支編)2022年(令和4年)平均結果の概要」の「収支」より)。

 

収入が減少したとはいえ、養老保険の満期保険金や夫の生命保険金1,500万円を含め、貯蓄は約3,000万円あります。年金だけで足りない月は貯蓄を取り崩していますが、こうした生活にも慣れてきました。

 

一方で、日々なにげない会話を交わしていた愛するパートナーがいなくなったことには、いつまで経っても慣れません。地元の婦人会の行事に参加したり、友人に会う時間を増やしたりと、ひとりきりでの生活の孤独感を紛らわしていました。

 

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※プライバシー保護の観点から、登場人物の情報を一部変更しています。

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