身近だからと日本株にこだわるのはナンセンス
日本人なのだから身近な日本株に投資をしたい、という人もいるかもしれません。しかし、パフォーマンスを見る限り、その考えに合理性はあるとはいえません。さらにいえば、投資は自分の感情にもとづいた判断をするとだいたい失敗します。外国の株は怖いから日本の株にという考えは、感情的な発想以外の何物でもありません。
ちなみに、世界で2番目に運用資産が大きい機関投資家である「ノルウェー政府年金基金」は、資金の約7割を株式で運用しています。そのうち最も大きな割合を占めるのが米国株で、47%にも上ります。
これに対し、日本の株が全体の株式に占める割合は、株全体の7%に過ぎません。もちろん、ノルウェー国民の大切な年金を運用しているからといって、ほとんどを自国であるノルウェーの株で運用している、なんてこともありません。
ちなみに、ノルウェー政府年金基金を上回る世界最大の機関投資家は、日本の年金を運用する年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)です。GPIFは年金資産の半分を株式で運用しており、株式の半分を日本株が占めています。
この配分の背景にはさまざまな事情はあるのでしょうが、日本国民の年金資産を最大化させることを優先するなら、こうした配分にはならないはずなのです。
個別株投資をするのであれば、情報を集めたり分析がしやすい日本株に軍配が上がることもあるでしょうが、▲5%ルール投資法は市場全体に投資するインデックス投資なので、そもそも個別企業の情報収集や分析をする必要がありません。
個人投資家が海外の株に投資をすることが難しかった時代ならいざ知らず、スマホをタップするだけで海外の資産にリアルタイムかつ低コストで投資をすることが可能になっている今、身近だからという理由で日本株にこだわるのはナンセンスだといえます。
投資塾ゆう
投資アドバイザー
※本記事は『知識も時間もないですが、新NISAでほったらかし投資よりお金を増やしたいです』(KADOKAWA)の一部を抜粋し、THE GOLD ONLINE編集部が本文を一部改変しております。また、投資による結果に編集部は一切責任を負いません。投資に関する決定は、自らの判断と責任により行っていただきますようお願いいたします。
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