円安が進行している今、米国株に投資していいのか?
私が提唱する「▲5%ルール投資法」(※)が推奨する投資対象は、S&P500に連動する投資信託です。S&P500はアメリカの株価指数であることから、「円安の時に、米国株式に投資するのは不利ではないか?」という質問を受けることがあります。
※▲5%ルール投資法について詳しくはこちらの記事で解説しています。
日本円で収入を得て生活している私たちが米国株式に投資しようとするタイミングで円安ドル高になっていると、投資に必要な資金が増えてしまいます。投資対象のS&P500が上がっていなくても、ドルが上昇していればそれだけで金融商品の価格は上がってしまうわけです。
2022年の年明けのドル円相場は115円程度でスタートしたことを考えると、2023年に150円を突破したドルはわずか2年で30%も値上がりしていることになります。要するに、同じ対象を買うには、2年前より30%多くの資金が必要になっています。
だからといって、円安ドル高の局面ではドル建ての投資を控えるべきかというと、結論から言えばそんな必要はありません。直近の値動きだけを見ているととんでもなく割高な水準になってしまったように感じるでしょうが、株式市場のダイナミックな動きに比べれば、ドル円相場の変動など誤差程度の微々たるものだからです。
[図表1]は、2004年1月月初を100とした、S&P500とドル円のチャートです。起点は同じでも、20年間の値動きの幅は大きく異なっており、力強く上昇しているS&P500に比べれば、ドル円の値動きは横ばいも同然に見えます。
確かに、直近を示す右端を見ると、2022年以降のドル高円安は非常に急激な値動きでしたし、2022年はS&P500の値動きも低迷したため、日本から投資した人はやや不利な状況に置かれました。
ただそれでも、値動きのダイナミックさは明らかにS&P500が勝っていて、株式市場が大きく下落している時に買えていれば、為替が多少不利になっていても十分吸収できるレベルだということは一目瞭然です。
[図表2]はより期間を短くし、コロナショック時の値動きを示したチャートです。丸印で示している部分は、新型コロナウイルスの脅威で世界中の株価が暴落したコロナショックです。為替相場も大きく動いてはいますが、株価の下がり方とその後の回復のほうがはるかに大きくなっているのがわかります。
要するに、資産を効率的に増やそうとするなら、為替の変動はあまり気にせず、株式市場の値動きに注目し、安くなったタイミングで確実に投資をしていくほうが、はるかに効率が良いのです。
投資塾ゆう
投資アドバイザー
※本記事は『知識も時間もないですが、新NISAでほったらかし投資よりお金を増やしたいです』(KADOKAWA)の一部を抜粋し、THE GOLD ONLINE編集部が本文を一部改変しております。また、投資による結果に編集部は一切責任を負いません。投資に関する決定は、自らの判断と責任により行っていただきますようお願いいたします。
杉原 杏璃 氏登壇!
「THE GOLD ONLINE フェス 2025 @東京国際フォーラム」
(入場無料)今すぐ申し込む>>
注目のセミナー情報
【国内不動産】12月25日(水)開催
フルローン×1都3県・駅チカ物件で利回り7%超×買戻し特約で投資家殺到!
「カインドネスシリーズ」年末特別説明会
【海外不動産】12月26日(木)開催
10年間「年10%」の利回り保証・Wyndham最上位クラス
「DOLCE」第一期募集開始!
【事業投資】12月26日(木)開催
年利20%の不動産投資の感覚で新しい収益の柱を構築
ブルーオーシャン戦略で急拡大!
いま大注目のFCビジネス「SOELU」の全貌
【関連記事】
■税務調査官「出身はどちらですか?」の真意…税務調査で“やり手の調査官”が聞いてくる「3つの質問」【税理士が解説】
■月22万円もらえるはずが…65歳・元会社員夫婦「年金ルール」知らず、想定外の年金減額「何かの間違いでは?」
■「もはや無法地帯」2億円・港区の超高級タワマンで起きている異変…世帯年収2000万円の男性が〈豊洲タワマンからの転居〉を大後悔するワケ
■「NISAで1,300万円消えた…。」銀行員のアドバイスで、退職金運用を始めた“年金25万円の60代夫婦”…年金に上乗せでゆとりの老後のはずが、一転、破産危機【FPが解説】
■「銀行員の助言どおり、祖母から年100万円ずつ生前贈与を受けました」→税務調査官「これは贈与になりません」…否認されないための4つのポイント【税理士が解説】