世の中にいる“経済の識者たち”の予想が当たらないワケ
世の中の専門家や多くの知恵者の予想がなかなか当たらないのは、当てるための段取りを踏んでいないからです。予測するために必要なことは、何故こうなったのかの原因を探る謎解きです。何が理由でこうなったのかという因果関連が分かれば、今こういう原因があるから将来こうなるということも予想できます。
現在は過去の結果ですが、現在が原因となって将来が形作られるのです。この流れのなかですべてを考えれば、将来予想の的中度は大きく高まるはずです。
検証をしているうちに、だいぶ前から経済学の理論だけでは把握できない現象に気づきました。それが、地政学が経済に与える影響です。
日本が戦後大復活したのも、“Japan as Number1”の座から転落したのも、このところの円安も、はたまた日経平均株価が史上最高値を更新し4万円を超えたのも、すべてこの「地政学」が影響しています。
具体的にいうと、米中対立に直面して、アメリカが日本を“強い味方”にするという戦略を明確化させたからです。「地政学」というのは、長い歴史に裏付けされた人間と国家の思惑の解析です。つまり古今東西、政治のメカニズムと経済のダイナミズムとは切っても切り離せない関係です。地政学が原因となって新しい経済のパラダイムが作られていくのです。
そうしたパラダイム変転の際には、安定している仕組みのなかに反対物が生まれ不安定化し、この対立物が統一される(止揚される)ことで新たな枠組ができるという、弁証法の考え方が不可欠です。
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