(写真はイメージです/PIXTA)

バブル越えとなった日本株式ですが、その後、上値が重い展開が続いています。なぜなのでしょうか? ニッセイ基礎研究所の前山裕亮氏が解説します。

5月以降は為替と米株に連動せず、上値が重い

日本株式は2024年に入って大きく上昇したが、3月中旬まで半導体関連株の上昇を受けて日経平均株価の上昇がTOPIXと比べて特に顕著であった【図表1】。日経平均株価は3月に史上最高値を更新し、22日には4万888円をつけ、年初来の上昇率も一時20%を超えた。

 

しかし、3月下旬から4月にかけて調整した。TOPIXは意外と底堅かったが、日経平均株価は大きく下落した。TOPIXと日経平均株価の年初来上昇率が4月末に同じになっており、日経平均株価はそれまでの急上昇の反動がでたのかもしれない。

 

いずれにしても5月以降は日経平均株価、TOPIXとも同じような推移になっており、上値が重く方向感の乏しい展開が続いている。

 

【図表1】 日経平均株価とTOPIXの推移
【図表1】 日経平均株価とTOPIXの推移

 

 

そもそも日本株式は2022年あたりから為替と米国株式に連動してきた。2024年に入ってもTOPIXと円建てのS&P500種株価指数が似たような推移をしてきた【図表2】

 

しかし、5月以降はTOPIXが円建てのS&P500種株価指数ほど上昇しておらず、劣後している。これまでと異なり円安が進み、かつ米国株式がS&P500種株価指数が史上最高値を更新するなど上昇しているのにもかかわらず、日本株式が追随できてない。

 

【図表2】 TOPIX、S&P500種株価指数と為替の推移
【図表2】 TOPIX、S&P500種株価指数と為替の推移

上値が重い3つの要因

日本株式がこれまでのように円安と米株高を好感しなくなっている要因として、以下の3つ考えられる。

 

(1)日本の金融政策に対する不透明感、

(2)日本企業の慎重な業績見通し、

(3)日本株式の割安感の消失。

 

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※本記事記載のデータは各種の情報源からニッセイ基礎研究所が入手・加工したものであり、その正確性と安全性を保証するものではありません。また、本記事は情報提供が目的であり、記載の意見や予測は、いかなる契約の締結や解約を勧誘するものではありません。
※本記事は、ニッセイ基礎研究所が2024年5月28日に公開したレポートを転載したものです。

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