面接の場では、企業と応募者で「本音」の探り合いになることも多いでしょう。合格するために自らを取り繕う人もいますが、往々にして本性を見抜かれてしまうものです。そこで本記事では、株式会社経営者JPの代表取締役・CEOの井上和幸氏が、「マネジメント人材」として転職を成功させるために常日頃から心がけるべきポイントについて解説します。
面接を「化かし合い」と捉える危険性
面接ではどうしても企業と応募者がお互い、様子の探り合い、本音の探り合いとなる部分があります。「面接は化かし合いだ」とまで言う人もいますが、本来、どちらの立場であっても、極力普段通りの姿や本音を出すことが、結果としては望ましいです。
それは、ご縁があった際には、採用面接の合格や入社はゴールではなく、そのあとに日常が待っているからです。本音を隠して、いざ一緒になってみたら、実際の姿は違ったというのは不幸ですよね。
仮面を被って「結婚」(入社)したがゆえに、幸せな「生活」(就労)は続かず、早期の「離婚」(退職)となってしまう人も多くいらっしゃいます。
そこでエグゼクティブの皆さんが転職面接で図らずも問われることとなるのが、皆さんの平素のマネジメントスタイルや人間関係、コミュニケーションスタイルです。
実はここで落とし穴に落ちる人も少なくありません。
本音のコミュニケーションで、ついバレる「パワハラ体質」
選考過程で応募先企業の主要な各位と会話を繰り返し、コミュニケーションを深めるなかで、うっかりバレることが多いのが「パワハラ体質」です。
幹部であるからこその苦労話を、選考中にぶっちゃけトークで交わすことはとても大事なことです。
お互い、胸襟を開いて、事業や現場を預かるに当たって「本音はこうですよね」という会話を取りかわせるくらいのコミュニケーションができずに、幹部として次の会社に入社することのほうが危険です。このときに、応募先の社長や役員陣などは、その人の素の姿を見たいのですね。
で、どのようにマネジメントされているのかの質問に、「いや〜、ほんと、あいつら、使えないんですよ」「しょうもない奴らで」。言葉使いでいえば「指示してます」「指導してます」「管理してます」。
もちろん文脈によっては、これらの言葉が適切な場合はありますが、部下のマネジメントに関して、一貫してこの手のワードが普通に並ぶ人は、部下たちを物や道具としか見ていないことがバレバレです。
上から目線のオンパレード。聞いている面接者からすれば、(「ん? この人に、部下たちはついていくかな?」)と思うわけです。
一見、「部下のために」といっているものの、端々に彼らを見下しているような素行、言動が見え隠れする人がいます。
面接者は言葉や表情に出さなくとも、こういう部分をしっかり見ています。人に対する考えがまともな会社であれば、そんな姿勢のマネジメント人材は、部下たちのみならず、経営陣からしても「うちには勘弁」なのです。
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株式会社 経営者JP
代表取締役社長・CEO
1966年群馬県生まれ。1989年早稲田大学政治経済学部卒業後、株式会社リクルート入社。人材開発部、広報室、学び事業部企画室・インターネット推進室を経て、2000年に人材コンサルティング会社に転職、取締役就任。2004年より株式会社リクルート・エックス(2006年に社名変更、現・リクルートエグゼクティブエージェント)。エグゼクティブコンサルタント、事業企画室長を経て、マネージングディレクターに就任。
2010年2月に株式会社 経営者JPを設立(2010年4月創業)、代表取締役社長・CEOに就任。経営者の人材・組織戦略顧問を務める。企業の経営人材採用支援・転職支援、経営組織コンサルティング、経営人材育成プログラムを提供している。人材コンサルタントとして「経営者力」「リーダーシップ力」「キャリア力」「転職力」を劇的に高める【成功方程式】の追究と伝道をライフワークとする。 実例・実践例から導き出された公式を、論理的に分かりやすく伝えながら、クライアントである企業・個人の個々の状況を的確に捉えた、スピーディなコンサルティング提供力に定評がある。自ら2万名超の経営者・経営幹部と対面してきた実績・実体験を持つ。
著書に『ずるいマネジメント 頑張らなくても、すごい成果がついてくる!』(SBクリエイティブ)、『社長になる人の条件』(日本実業出版社)、『ビジネスモデル×仕事術』(共著、日本実業出版社)、『5年後も会社から求められる人、捨てられる人』(遊タイム出版)、『知名度ゼロでも「この会社で働きたい」と思われる社長の採用ルール48』(共著、東洋経済新報社)、『あたりまえだけどなかなかできない 係長・主任のルール』(明日香出版社)、『プロフェッショナルリーダーの教科書』(共著、東洋経済新報社)、『人物鑑定法 あの人も、丸見えになる』(経済界)、『「社長のヘッドハンター」が教える成功法則』(サンマーク出版)など。取材・コメント・出演実績として、「日本経済新聞」「朝日新聞」「読売新聞」「産経新聞」「日刊工業新聞」「週刊東洋経済」「日経ビジネス」「GQ JAPAN」「週刊現代」「プレジデント」「AERA」「月刊BOSS」「CIRCUS」「日経ビジネスオンライン」「ITmediaエグゼクティブ」「BOSS online」、フジテレビ「ホンマでっか?!TV」「キカナイトF」、その他業界誌等多数。
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