基本的に「買ってそのまま何もしない」でよい
新NISAを活用した高配当利回り銘柄投資について考えていきたいと思います。が、実は何もしなくても良いというのが、その答えです。
高配当利回り銘柄投資の目的は、キャピタルゲインをねらうことではありません。もちろん、大きく値上がりしたら、その時点で利益確定させるという手もありますが、基本的には値上がり益狙いではなく、安定した配当を長期的に得ていくことに、この投資法の醍醐味があります。
高配当利回り銘柄投資の最大の魅力は、その銘柄を買い付けた瞬間、収益性が確定することです。毎年、1株あたり100円の配当を支払っている銘柄を2,000円の株価で買い付けることができたら、その時点で5%の配当利回りが確定します。
その後、株価が3,000円に値上がりしたとしても、逆に1,000円に値下がりしたとしても、その銘柄を売却しない限り、あるいは買い増さない限り、5%の配当利回りは不変です。したがって、年5%の配当利回りで良しとするならば、何もしなくて良いのです。
注意しなければならないのは、株価が大きく上昇したとき、その時点の株価で計算した配当利回りが大きく低下したのを見て、「配当利回りが悪くなったから売却しよう」などという勘違いをしがちなことです。
たとえば配当利回りが5%のときに買い付けた銘柄の株価が倍になり、かつ年間配当の額が変わらなかったら、配当利回りは2.5%に低下します。インターネットの株式投資サイトなどを見ると、リアルタイムで配当利回りが表示されていますから、それを目にして早とちりしないように注意してください。
とはいえ、配当利回りが5%から2.5%に低下したとしても、株価が倍に値上がりしているのだとしたら、少々悩みどころではありますが、売却も視野に入れて良いかもしれません。
1株につき100円に配当を出している企業の株価が、2,000円から4,000円に値上がりしたということは、単純計算でも「20年分の配当」を受け取ったのと同じ効果が得られたことになります。だとしたら、むしろ積極的に売却して、銘柄を入れ替えたほうが得策でしょう。
もうひとつの注意点は、投資先企業の経営状況が悪化して、配当が減らされるリスクです。経営者側は、できる限り減配を避けたいと考えています。したがって、よほど業績が悪化しない限り、配当を減らすことはないのですが、減配リスクがゼロとは言えません。
もし減配となったら、そのときは投資している銘柄を見直す必要も出てきます。ただ、これも複数銘柄に分散投資することによって、かなりの程度までリスクを軽減できます。
たとえば20銘柄で平均5%の配当利回りを実現できたとするならば、そのなかの1銘柄が減配になり、配当利回りが3%程度まで低下したとしても、ポートフォリオ全体に及ぼすリスクは最小限に抑えられます。
だからこそ、最低でも10銘柄くらいの分散投資からスタートさせて、ゆくゆくは30銘柄くらいのポートフォリオになるまで、徐々に銘柄を増やしていきたいのです。
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