(※写真はイメージです/PIXTA)

総務省によると、日本の人口のうち65歳以上の高齢者は29.1%と、過去最高を更新したそうです(2023年9月時点)。このように、「超高齢化社会」の日本に欠かせないのが「介護施設」です。しかし、人手不足が深刻なこの業界、サービスの質は玉石混淆だと、株式会社FAMORE代表取締役の武田拓也FPはいいます。そこで、事例を交えながら「失敗しない施設選びのポイント」をみていきましょう。

なにやってんだ!Bさんが目撃した「まさかの光景」

急ぎ施設に向かったBさん。その目に飛び込んできたのは、母親の部屋でタンスを開けている高齢者の男性でした。

 

まさかの光景に絶句するBさん。ハッと我に返り、「おい、なにやってんだ! あんた誰だ!」強い口調で問いかけます。その男性は一瞬Bさんのほうを見たものの「いや、あれっ、ちょっと」などとつぶやきながら、タンスのなかを覗き込んでいます。

 

Bさんはその男性の腕を引っぱり、強引に部屋の外へ連れ出しました。

 

「いったいなにがあったの?」BさんがAさんに尋ねると、「ここ最近、あの人が私の部屋に入ってくるようになったの」とのこと。Aさんいわく、何度「入ってこないで」と注意しても、男性は聞いているのかいないのか、まったく改善されなかったそうです。そんな状況が続き、どうしたら良いのかわからず長男に連絡したとのことでした。

 

長男は早速、施設の職員に「いったいどうなっているんだ!」と問いただしました。

 

職員がBさんに告げた施設の実情

職員は申し訳なさそうに「こちらの施設では認知症の方も受け入れています。あの男性は最近入居されました」「以前は入居者が少なく職員にも余裕があったため、手厚く対応できていたのですが……。入居者が増えていく一方で、最近は離職する職員も多く、深刻な人手不足なんです」とBさんに説明しました。

 

しかし、Bさんからしてみると、その説明には到底納得できません。職員に対して「そんなことは知ったことではない。こちらはお金を支払っているのだから、しっかり対応してください」と厳しく伝えました。

 

母親には「職員にきちんと伝えておいたから。またなにかあったらすぐに連絡してくれ」と言ったBさんでしたが、「まさかこんなことが起こるなんて思わなかった」「オープンしたばかりの綺麗な施設だと思っていたのに、こんなことが起きるなんて」「施設選びを間違えたのか」などと、とやりきれない思いを抱えながら自宅へ戻ったのでした。

 

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〈出典〉
001144293.pdf(mhlw.go.jp)介護人材の処遇改善等
2023r01_chousa_gaiyou_0821.pdf(kaigo-center.or.jp)令和4年度介護労働実態調査結果
000804129.pdf(mhlw.go.jp)第8期介護保険事業計画に基づく介護職員の必要数について

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