なにやってんだ!Bさんが目撃した「まさかの光景」
急ぎ施設に向かったBさん。その目に飛び込んできたのは、母親の部屋でタンスを開けている高齢者の男性でした。
まさかの光景に絶句するBさん。ハッと我に返り、「おい、なにやってんだ! あんた誰だ!」強い口調で問いかけます。その男性は一瞬Bさんのほうを見たものの「いや、あれっ、ちょっと」などとつぶやきながら、タンスのなかを覗き込んでいます。
Bさんはその男性の腕を引っぱり、強引に部屋の外へ連れ出しました。
「いったいなにがあったの?」BさんがAさんに尋ねると、「ここ最近、あの人が私の部屋に入ってくるようになったの」とのこと。Aさんいわく、何度「入ってこないで」と注意しても、男性は聞いているのかいないのか、まったく改善されなかったそうです。そんな状況が続き、どうしたら良いのかわからず長男に連絡したとのことでした。
長男は早速、施設の職員に「いったいどうなっているんだ!」と問いただしました。
職員がBさんに告げた施設の実情
職員は申し訳なさそうに「こちらの施設では認知症の方も受け入れています。あの男性は最近入居されました」「以前は入居者が少なく職員にも余裕があったため、手厚く対応できていたのですが……。入居者が増えていく一方で、最近は離職する職員も多く、深刻な人手不足なんです」とBさんに説明しました。
しかし、Bさんからしてみると、その説明には到底納得できません。職員に対して「そんなことは知ったことではない。こちらはお金を支払っているのだから、しっかり対応してください」と厳しく伝えました。
母親には「職員にきちんと伝えておいたから。またなにかあったらすぐに連絡してくれ」と言ったBさんでしたが、「まさかこんなことが起こるなんて思わなかった」「オープンしたばかりの綺麗な施設だと思っていたのに、こんなことが起きるなんて」「施設選びを間違えたのか」などと、とやりきれない思いを抱えながら自宅へ戻ったのでした。