19世紀から脈々と受け継がれる「株価チャートの読み方」…さまざまな分析手法に通じる「6つの法則」とは

19世紀から脈々と受け継がれる「株価チャートの読み方」…さまざまな分析手法に通じる「6つの法則」とは
(画像はイメージです/PIXTA)

19世紀、アメリカの1人の証券アナリスト・ジャーナリストが提唱した、ある理論。いまも株式のトレンドを理解する基本として、大いに活用されています。さまざまな分析手法に通じるベース理論について見ていきましょう。本連載は、経済ジャーナリストの和島英樹氏監修『いちからわかる!株入門 2024年新NISA対応版』(インプレス)より一部を抜粋・再編集したものです。

チャート読みの基本が詰まっている「ダウ理論」

チャート分析の考え方の1つに「ダウ理論」があります。アメリカの証券アナリスト・ジャーナリストであるチャールズ・ダウが提唱した理論で、19世紀に作られたものですが、チャート読みの基本が詰まっているといえます。

 

テクニカル分析の手法も、考え方のベースにはダウ理論があるといえます。今後の理解を深めるためにも、まずは基礎から確認していきましょう。

「6つの法則」でトレンドを理解する

ダウ理論は6つの法則から構成されています。

 

1つ目は「平均価格はすべての事象を織り込む」。株価には企業の業績だけでなく、需給のバランス、経済動向、社会情勢などの要因が反映されていることを前提に分析せよという意味です。

 

2つ目は「トレンドは3種類ある」。トレンドは期間に応じて、主要トレンド、二次トレンド、小トレンドの3つに分けられます。

 

関連して、3つ目に「トレンドは3段階ある」。トレンドは一部の投資家が仕込み始める先行期、相場の動きを見て売買の投資家が増える追随期、先行エントリーした投資家が利確する利食い期に分かれます。自分が今どの段階にあるのかわかれば、売買タイミングもつかみやすくなります

 

4つ目は「平均は相互に確認するべき」。複数の指標が同じ動きをしていなければ、確実なトレンドとはいえないというものです。逆に、関連性の高い銘柄同士が同じ動きをしていたら、明確なトレンドが現れたと考えられます。

 

5つ目は「トレンドは出来高でも確認すべき」というもの。株価の上昇局面では出来高が増加し、下降局面では出来高も減少するという法則です。もし出来高の動きがともなっていなければ、ダマシの可能性があると見抜けます。

 

最後の6つ目として、トレンドは「明確な転換サインが出るまで続く」です。トレンド転換の兆候が現れない限り上昇トレンド、あるいは下降トレンドは継続するという考え方です。

 

POINT! ダウ理論をもとにしたエリオット波動

 

ダウ理論の影響を受けた理論の1つが「エリオット波動」です。エリオット波動では相場には5つの推進波と3つの修正波の周期的パターンがあると考えます。例えば上昇トレンドなら、5つの波を描きながら上昇し、その後、3つの波を描きながら下降します。

 

[図表1]エリオット波動

 

◆「ダウ理論」6つの法則

【1】平均価格はすべての事象を織り込む 

 

あらゆる事象が株価に反映されている。

 

[図表2]平均価格はすべての事象を織り込む

 

【2】トレンドは3種類ある 

 

①主要トレンド:1年~数年のサイクル

②二次トレンド:3週間~3ヵ月のサイクル

③小トレンド:3週間未満のサイクル

 

[図表3]トレンドは3種類ある

 

【3】トレンドは3段階ある 

 

①先行期:底値と判断した一部の投資家が買い入れ

②追随期:市場価格が上昇し買い入れが増加

③利食い期:価格が上昇し、売却が増える時期

 

[図表4]トレンドは3段階ある

 

【4】平均は相互に確認するべき 

 

関連性の高い銘柄同士が同じ値動きならトレンドといえる!

 

[図表5]平均は相互に確認するべき

 

【5】トレンドは出来高でも確認すべき 

 

株価と出来高(株の売買数量)が上昇・下落で連動していればトレンド。

 

[図表6]トレンドは出来高でも確認すべき

 

【6】明確な転換サインが出るまで続く 

 

高値(安値)を更新せずに安値(高値)を更新した場合はトレンド転換のサイン。

 

[図表7]明確な転換サインが出るまで続く

 

 

和島 英樹
経済ジャーナリスト

 

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※本連載は、経済ジャーナリストの和島英樹氏監修『いちからわかる!株入門 2024年新NISA対応版』(インプレス)より一部を抜粋・再編集したものです。

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監修:和島 英樹

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