ローソク足を2本、3本と組み合わせ、相場を細かく分析
ローソク足は1本からでも相場の動きを読み解けますが、2本、3本と組み合わせることで、さらに分析精度が高まります。組み合わせにはさまざまな種類がありますが、まずは基本形からおさえていきましょう。
まず覚えておきたいのが「窓」です。「窓」はローソク足が分断されて形成された空間のこと。取引時間外に、突発的なニュースが発表されたときなどによく出現します。
この「窓」を用いて売り・買いのサインも読み取れます。その1つに「三川明けの明星」があります。陰線・コマ足・陽線という形のパターンで、買いのサインといえます。逆に陽線・コマ足・陰線は「三川宵の明星」と呼ばれて、下落トレンド(売り)になります。さらに、コマ足ではなく十字星のような「寄せ足」が真ん中に現れるとより強力なサインとされています。
3つ同じ色が続いたら強気のサイン!
「三兵」は同じ色のローソク足が3つ続くパターンです。例えば、3本の陽線が連続して高値を超えたパターンは「赤三兵」と呼ばれます。
上昇の勢いが強く、強力な買いのサインと考えられています。一方、3本の陰線が連続して安値を下回ったパターンを「黒三兵」と呼びます。相場が弱気の売り相場であるサインとされ、不吉な予兆として別名「三羽烏」ともいいます。
三兵で重要なのはローソク足の長さからわかる勢いです。赤三兵の形であっても、長い上ヒゲが出ていると勢いが弱いため、利確(売り)のタイミングとなります。ヒゲの長さにも注目しながら、トレンドを読み解きましょう。
売買のタイミングではなく、取引を休むべき時期を知らせるサインもあります。
その1つが「上げ三法」です。これは上昇相場で大陽線が出た後、陰線を3本はさんでまた大陽線が出る形。相場の流れが休みに入るパターンで、転換点なのか小休止なのかを見極める必要があります。株式投資は売買を繰り返すだけではなく、ときにはじっと相場を観察することも重要なのです。
POINT! 江戸時代の米相場が起源
テクニカル分析は日本発祥であるという説が有力です。江戸時代の相場師、本間宗久がローソク足や酒田五法を考案し、米市場の取引で使ったとされています。
◆組み合わせでわかる「買い」のサイン
【窓】
ローソク足と次のローソク足の間に空間が開いた状態のこと。「窓」もしくは「空(くう)」「ウィンドウ」と呼ばれています。
【交差】
交差は陽線と陰線のローソク足が組み合わさった形状です。値下がり分を上昇で埋めたため、その後は買いが優勢となるケースが多くなりがちです。
【大台乗り】
株価は、キリの良い価格帯でもみ合う習性があります。100円、150円、200円などの大台に居所が変われば、勢いがついた買いのサインといえます。
【三川明けの明星】
下落トレンドで大陰線が現れたあと、窓を開けてコマ足が出現し、さらに大陽線が出ている形です。トレンド転換の兆候で、買いサインといえます。
【赤三兵】
ローソク足が3本続けて、前のローソク足の高値を超えている状態を「赤三兵」と呼びます。上昇の勢いが強く、強力な買いサインとなります。
◆組み合わせでわかる「売り」のサイン
【三川宵の明星】
三川宵の明星は、相場が窓を開けて上昇したものの、売り買いが拮抗してもみ合い、窓を開けて反落したことを示します。売りのサインといえます。
【三川宵の十字星】
上昇トレンド中に大陽線が出現し、その後窓を開けて寄せ線、大陰線の順でローソク足が並ぶ形状です。強力な売りサインとされています。
【三川上放れ二羽烏】
大陽線の次に窓が開いて、陰線のコマ足が出現し、大陰線が出た形です。下落の圧力が高まっているので、株を手放すタイミングになります。
【赤三兵先詰まり】
1本目のローソク足が大陽線で、2、3本目の陽線の勢いが弱い状態です。上ヒゲが出ていると勢いが弱いため、利確のタイミングとなります。
【黒三兵】
赤三平とは反対に、ローソク足が3本続けて前の安値を下回っている状態を「黒三兵」と呼びます。今後も下落が続く可能性が高いサインです。
【同時三羽】
1本目の終値と2本目の始値、2本目の終値と3本目の始値が同じになる並びを「同時三羽」と呼びます。下落の勢いが強く、売りサインとなります。
◆「休みサイン」となる形も確認しよう
【上げ三法】
上昇局面で、大陽線が出現後、小さな3本の陰線が出た後に再び大陽線が出現した形です。相場の方向性が不安定なので、取引すべきではないと考えられています。
【下げ三法】
下降局面で、大陰線が出現後、小さな3本の陽線を挟んで、再び大陰線が出ている形。こちらも相場の方向性が読めないので、休みのサインとされています。
和島 英樹
経済ジャーナリスト
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