安いコスト、透明性、少ない参入企業など、利点は多い
前回に引き続き、入札ビジネス参入によって企業が得られる具体的なメリットを見ていきます。
⑥明朗会計で入金が速い
額が決まっているので明朗会計であることと、入金が速いということ。一般的な民間企業同士の取引の場合、納品後、発注側の検収などに時間がかかり、請求、入金の流れに至るまで時間がかかる場合があります。
けれども、落札した案件に関しては、仕事が終了して1カ月から1カ月半くらいで支払われることが多いので、とても安心です。入金時期が明確で、契約後の値引き交渉や、支払が遅れることはありません。
また、仕様書にもとづいて仕事をしますので、一般的な仕事のようにあれこれ余分な業務があとから発生することもありませんし、あとからサービスをつける必要もありません。
⑦販売コストがかからない
おもに物品に関してですが、通常かかる販売コストがほとんどかからないことがあげられます。
当然、物を販売するとなると、店舗をかまえ広告等を打ち、店頭やメディアなどで認知してもらう必要があります。けれども入札案件は、お客様の欲しがっている物品リストがすでにあるわけで、そこにピンポイントで入札をしていけばよいのです。広告費用などは一切発生しませんので、販売コストがかからないのも大きな魅力だと思います。
⑧意外と簡単なのにブルーオーシャン
意外と簡単にできるのに参入している企業が少ないブルーオーシャンであるということ。資格を取るまでは多少手間がかかりますが、取ってしまえば入札までの流れは意外と簡単です。
資格を取る→案件を探す→入札説明書で参加するかどうかを検討する→入札準備→入札という流れになります。プロセスはシンプルなので、法人であっても一人で入札まで進めることが可能です(落札後は、案件によって複数多数でおこなうものもあります)。
もちろん、落札にはコツがありますので、それがつかめるまでは失敗する、つまり落札できないこともあるかもしれません。けれども、落札できなかったからといって、大きな損失が出るわけではありませんので、どんどんトライしてみるとよいでしょう。
経験を積むと、落札金額の目安もわかってきますし、コツもつかめるようになります。「入札」と聞くと面倒くさい、関係ないと思っている人が、まだまだ多いので、今がチャンスです。
普通の会社が「国家プロジェクト」に関わることも可能
⑨国家プロジェクトに参加!
「政府統計」など国家で進められるプロジェクトの一環としての案件も、条件さえあえば入札に参加できることがあげられます。通常の仕事で、国のプロジェクトにかかわれることなど、ほとんどありませんから、それだけでも貴重な経験だと思います。
⑩電子入札は気軽にネットで
電子入札はネット環境さえあればデスクの前で気軽に案件を探すことができますし、まるでネットオークションのように簡単に入札参加ができます。
⑪どんなときも仕事が途切れないベルトコンベアー方式
民間の企業を相手に仕事をする場合は、相手しだいで仕事の有無や多寡が大きく左右されます。けれども、入札の場合は、年間を通して、途切れることなく案件は数多くあがってきます。
コンスタントに案件を探して入札しさえすれば、売上げを上げることができるのです。東日本大震災のときに、取引先からの発注がずいぶん減り、売上げが大きく下がりましたが、そんなときでさえ入札案件はたくさんありました。
官公庁は、年度末に案件が増える傾向にあります。自治体は官公庁に比べて安定していますが、夏の7月~9月に多くなります。自治体では月間約2万5千~3万件の入札情報が上がっています。それらのなかで自社ができる案件にコンスタントに入札していけば、ある程度の仕事や売上げは確保されるのではないでしょうか。
⑫指定業者を狙って売上げ安定
これは、ある程度落札経験を積んでからの話にはなりますが、何度か落札すると、指名競争入札で指名される業者になる可能性や、「随意契約」ができるようになる可能性もあるということです。
もしそうなれたら、定期的に大きな案件や安定した案件にかかわることができますので、売上げが安定することにもつながります。