税金が関わるだけに、透明性・公正さは確保されている
ここまでの連載でお話ししたほかにも、入札がもたらすメリットは数多くあります。参入すればどんなよいことがあるか、ここでまとめてみましょう。
①透明性
公金を有効に活用できる透明性でしょう。国民の納めた税金によって運用されている国や地方公共団体ですから、税金をできるだけ節約して有効に使うことができるのは大きなメリットです。
競争によって、より低価格で契約を結ぶことができますので、税金の出費を抑えられます。ちょっとでも使われる公金が減るわけですから、それだけ税金を有効利用することになります。これは発注側である国や地方公共団体のメリットでもありますが、税金を支払っている私たちにとってのメリットでもあるのです。
また、国民に対して、何に公金を使っているのかという情報を公表することになりますので、透明性があることもメリットといえるでしょう。
②平等にチャンスがある
一般企業が平等に参加できる機会が与えられるということ。基本的には古い企業も新しい企業も、企業の規模にも関係なく、契約を実行できる力さえあれば、入札に参加できます。
全省庁統一資格の審査の際に、企業の等級は、物品の製造、販売、役務の提供等に関してはABCDの4段階、物品の買い受けに関してはABCの3段階でランク分けをされます。案件によっては、入札できる企業の等級が限定される場合もありますが、同じくらいのランクの企業どうしが競争できるという意味では、それも平等と考えられます。
③競争入札なので公正
一般競争入札では、競争しながら公の場所で金額を決定するので、公正さが確保されるといえます。
一般の企業の間の契約においても公正さが求められるのはもちろんですが、国民に納得してもらうため、国や地方公共団体が発注する契約は、なおさら公平性、公正性を求められます。
入札の参加者は同じスタートラインに立つことができ、金額や提案書などで平等に判断されます。
国が取引相手であるため、対外的な信用も得られる
④対外的な信用が得られる
国や地方公共団体との取引をしているということで対外的な信用を得ることができる点があげられるでしょう。とくに金融機関からの信用が得られますので、落札が決まると融資を優先的に受けられたりすることもあります。
⑤取りこぼしのない安心案件
入札で委託されるのは、官公庁やそれに準ずる公的機関が発注する事業ですから、債務不履行がありません。
一般的な仕事の場合、クライアントの都合で、引き受けて途中まで進行していた案件が突然なくなったり、支払いがなかったり、遅れたりすることもあります。
けれども、入札案件に関しては、落札し契約すれば、途中で仕事が立ち消えになることは、通常ないといってよいでしょう。契約後、受注側が倒産などで契約不履行になることはありますが、発注者側からの都合でなくなることはありません。
この話は次回に続きます。