今回は、様々な可能性を持つ「入札」の魅力を見ていきます。※本連載は、株式会社ナビット代表取締役である福井泰代氏の著書、『20兆円の入札ビジネス』(二見書房)の中から一部を抜粋し、入札ビジネスの特徴やメリット・デメリットを紹介します。

「建設系じゃないからウチは関係ない」と思いきや…

「入札なんて、建設とか工事ばかりじゃないの?」という方は今も少なくありません。たしかに建設工事の入札は多く、トンネルやダムなど、大規模な案件もあります。

 

けれども、入札はそれだけではありません。まえがきで書いたような、おにぎりやトイレットペーパーといった私たちの身近にあるものはもちろん、市場調査やイベントの企画運営、清掃や運転サービス等の入札もたくさん出ているのです。

 

さらにある企業が入札に成功して、大きな商いが発生すれば、その企業に納入する仕入れ先や関連業者にもビジネスチャンスがめぐってきます。「入札なんてウチには関係ないよ!」などといっていると、ビジネスチャンスをみすみす見逃していることになります。

自社の関われる案件はないか、まずは探してみる

私たちが全国で開講している入札セミナーで出会った方々は、さまざまな業種にわたり実にバラエティに富んでいます。

 

ある時期からは、全国の商工会議所とタイアップして、共催セミナーを開催するようになったため、ますます多様な経営者とお会いすることができるようになりました。そんななかには、商工会議所からのご案内で参加したものの、とくに入札には期待もしていない様子の経営者の皆さんが少なくありません。

 

けれども、このような方たちも、セミナーで入札の可能性についてお話しすると、途端に身を乗り出して食いついてくるのです。

 

たとえば、埼玉県川越市の商工会議所で開いたセミナーでのこと。もともと川越市自体の入札には工事や建設が多く、それ以外で需要のある業種は少ないと思われていました。

 

しかし、近郊に理化学研究所と防衛医大があり、白衣のクリーニングや清掃、ビーカーの納品など、たくさんの入札案件が出ていることがわかり、参加者の皆さんが目を輝かせていらっしゃいました。

 

入札は、建設工事分野だけではありませんし、発注元は官公庁ばかりではありません。「ウチには関係ない」と背を向ける前に、自分のビジネスがかかわれる案件はないか、どこかで自分の会社が提供できる事業が求められていないか、アンテナを高く立てて、探してみてください。

20兆円の入札ビジネス

20兆円の入札ビジネス

福井 泰代

二見書房

えっ! こんな案件も入札で? 入札は大きなビジネスチャンスだって知っていましたか? 入札は、皆さんが思っているほど難しくありません。会社法人であれば、また個人事業主であっても、税金をきちんと納めてさえいれば、誰で…

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