今回は、入札ビジネス参入のデメリットとは何かを見ていきます。※本連載は、株式会社ナビット代表取締役である福井泰代氏の著書、『20兆円の入札ビジネス』(二見書房)の中から一部を抜粋し、入札ビジネスの特徴やメリット・デメリットを紹介します。

入札に参加する際の準備期間は「一ヶ月以上」要する

どんなによく見えるビジネスでも、メリットがあれば、デメリットもあります。入札に参入しようと考えるなら、メリットとともにデメリットも知ったうえで準備を進めてください。あとになって「こんなはずではなかった」と嘆くことのないように。

 

①時間がかかる

 

仕事が決まるまでに時間がかかるということです。入札は、金額等により、WTO(世界貿易機関)対象とWTO対象外の案件に分けられます。

 

WTO対象の入札制度とは、「政府調達に関する協定」などにより、10万SDR(2014年現在で約1200万円)以上の案件を調達する際に、海外の企業も参加できる制度のことをいいます。一般的に高額な契約となることが多いといえます。

 

WTO対象の場合は30日前、WTO対象外であれば10日前に公示されます。つまりWTO対象の入札に参加する場合は、1カ月以上前に公告がでて入札準備に取りかからなくてはいけないため、時間がかかります。

企業情報、個人情報が公開される点にも要注意

②企業情報を公開することによるデメリット

 

入札の参加資格を申請する際や、実際に入札する際に、企業の情報、概要を提出しなければいけないということです。

 

たとえば、知らず知らずのうちに労働問題を抱えていたり、財務上おかしな点があったりすると、調査が入ることもあります。入札制度を活用するにあたっては、一度社内の財務状況や労働環境などを見直したほうがよいでしょう。

 

また、全省庁統一資格審査に通ると、会社の基本情報(住所、電話番号など)が公開されます。この情報を見て、営業の電話が他社からかかってくることもありますし、入札案件とは別の仕事が発生することもあります。

 

これをメリットとみるか、デメリットとみるかですが、自宅で仕事をしている個人事業主の場合には、個人情報が公開されることになりますので、注意が必要です。

 

この話は次回に続きます。

20兆円の入札ビジネス

20兆円の入札ビジネス

福井 泰代

二見書房

えっ! こんな案件も入札で? 入札は大きなビジネスチャンスだって知っていましたか? 入札は、皆さんが思っているほど難しくありません。会社法人であれば、また個人事業主であっても、税金をきちんと納めてさえいれば、誰で…

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