(※画像はイメージです/PIXTA)

代々の不動産を守り継ぐ地主の相続。それは、当然ながら資産額が大きければ大きいほど、立ちはだかる壁も高く……。入念な準備を施さなければ、納税資金確保のために代々承継している大切な不動産を、自身の子の代で売却せざるを得ない状況に陥るケースもあり得ります。本記事では、藤村家(仮名)の事例とともに、地主の相続における節税対策について、ティー・コンサル株式会社代表取締役でメガバンク・大手地銀出身の不動産鑑定士である小俣年穂氏が解説します。

偉大な父の相続が発生して

藤村武史(仮名/60歳)は先週父武一の相続税申告を終えた。小規模宅地等の特例を使ったうえで相続税額は父の目論見どおり「ゼロ」となった。

 

葬儀では多くの参列者があり、改めて父の偉大さを感じた。また、生前父は公正証書遺言を作成しており、資産の承継については親族内で揉めることもなく順調に調整ができた。承継にあたって父は完璧な準備をしてくれていたと感謝した。

 

生前の父と慌てて購入した都心部の不動産3件については、自分(武史)が相続したうえで売却をすることとした。あくまでも、相続税を引き下げることが購入目的であったし、また遠方に存しており、定期的に物件を確認に行くことも難しい。幸いなことに、都心部の不動産は購入時よりさらに価格を上げており、いま売却を行ってもかなりの売却益が得られそうである。

 

代々承継している地元の不動産については老朽化が進んでいることから、売却した利益を大規模修繕に充てることに決めた。早速、売却活動を開始した。

 

当初想定(1年程度)よりも早く3ヵ月後にはすべての物件の売却が完了した。譲渡税は売却益に対して4割程度かかったが、あくまで儲けに対して課税されるのみであることから相続税引き下げのインパクトから比べれば、大した額ではないなと感じた。

2年後にやってきた税務調査

父の相続から2年ほどしたとある日。申告業務などを依頼している顧問税理士から「税務調査」が入る旨の連絡を受けた。

 

後日、税務調査官が訪れてきて面談すると、主には父親が相続対策で取得した都心部の物件についての確認をしているようであった。話の印象から税務署側では不動産の鑑定評価なども取得しているようであり、購入目的や相続で取得したあとに売却に至った経緯などについて念入りに確認をしてきている。

 

仮にこのまま、税務署の思惑どおりの相続税評価額(鑑定評価額相当)へと変更された場合、相続税額は5億円程度となるであろう。その場合には、間違いなく金融資産のみでは不足することから納税資金確保のために代々承継している不動産についても売却せざるを得ないであろう。

まとめ:不動産を活用した相続税の引下げにおける注意点

・不動産を活用した相続税引下げは王道であるが、過度に実施した場合にはリスクを伴う可能性が高い
・都心部の不動産ほど圧縮効果が高いが、一方では縁もゆかりもない場所に購入することでもあり、購入目的が相続税の圧縮として扱われやすい
・資産家の場合には相続税をゼロとすることは実質的には困難であるとの前提に立つほうがいい
・相続対策においては相続直前に焦って実施しても、税制などで否認されることが多く長期間かけて計画的に実施すべきである
・すべての相続不動産の評価を不動産鑑定評価にて実施するとした場合においては、都心部においては相続税額が試算よりも高額になる。相続申告においては鑑定評価額にて実施することを義務付けられてはいないが、一方で、鑑定評価額で実施した場合にはどの程度の納税額になるかも事前に把握しておいたほうがよい

 

以上のポイントを押さえることが重要である。

 

 

小俣 年穂

ティー・コンサル株式会社

代表取締役

 

<保有資格>

不動産鑑定士

一級ファイナンシャル・プランニング技能士

宅地建物取引士

 

 

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