相続手続きを行う上での留意点
「包括遺贈」もしくは「特定遺贈」によって財産をもらった際、具体的に相続手続きをしていく中で留意すべき事項をご紹介したいと思います。
特定受遺者の場合は債務・葬式費用が控除できない
特定受遺者(特定遺贈で財産ももらった者)は、相続税の計算を行う際に、仮に負担した債務や葬式費用があった場合についてもそれを相続税の計算上控除することができません。本来、特定受遺者は債務や葬式費用を負担する義務がないのでこのような取り決めとなっています。
なお、もとも相続人であるものが特定遺贈で財産を譲りうけた場合にはこの規定は適用されず、他の相続人と同様問題なく債務や葬式費用の控除が可能となっています。ただ例外的に、負担付遺贈と言って、債務を負担することを条件に特定の遺産を渡すような内容の特定遺贈の場合にはその債務については相続税の計算上控除できることになっています。
特定遺贈の場合には不動産取得税がかかる
「特定遺贈」で不動産をもらった場合には、不動産取得税がかかります。通常、相続で不動産をもらう場合には不動産取得税はかからないことになっていますが、この「特定遺贈」の場合のみ例外となっています。
なお、債務・葬式費用と同様、もともと相続人であるものが特定遺贈で不動産を譲りうけたとしてもこの不動産取得税はかからないことになっています。
包括遺贈と特定遺贈の場合の遺言書の記載例
「包括遺贈」及び「特定遺贈」それぞれの場合の遺言書の記載例をご紹介します。
注意すべき点は、「包括遺贈」の場合は全財産のうちの割合を明確に記載する、「特定遺贈」の場合はどの財産であるかを明確に記載するといったことです。後々争いの火種となる可能性があるため、あいまいな表現は避けることを心がけましょう。
【包括遺贈の記載例】
遺言者は、長男OO(昭和OO年O月O日生)に遺産のO分のOを遺贈する。
【特定遺贈の記載例】
遺言者は、長男OO(昭和OO年O月O日生)に以下の土地Aを遺贈する。
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