豊富な流動性
ソムジン氏は、潤沢な流動性により政府やタイ企業が現地市場を通じて資金調達できると楽観視している。同氏は、今年の社債発行額が9,000億〜1兆バーツ(約4兆2,006億2,470万円)になるとの見通しを示した。 2024年第1・四半期の社債発行額は2,071億3,000万バーツ(約8,700億7,539万円)となった。
第1・四半期末時点の債券発行残高は17兆バーツ(約71兆4,106億1,991万円)で、昨年末から3%増加した。新規発行国債とタイ銀行が上昇に大きく寄与した。
社債の中では、そのほとんどが投資適格(AAA~BBB)の格付けだった。債券市場を通じて資金調達を行った業種のトップ3は、不動産、金融・証券、食品・飲料だった。
インド国債の浮上
投資家が注目しているその他の要因としては、中国からの投資を分散させる投資先としてインドが浮上していることが挙げられる。インドは昨年、中国の5.2%と比較して7.2%の経済成長率を達成した。
米国に本拠を置く銀行JPモルガンは、「6月にインド国債をJPモルガン国債インデックス・エマージング・マーケット(GBI-EM)に追加する」と発表した。インドが世界債券指数に組み入れられるのは初めてとなる。
ブルームバーグ・インデックス・サービスはまた、「2025年1月31日から新興市場現地通貨建て国債インデックスにインド国債を追加する」と発表した。ソムジン氏は「これらはタイを含む他の債券市場に影響を与えている」と述べた。
しかし同氏は加えて、「国内市場は回復力があり、経済を牽引するために資金を配分する主要機関である銀行や株式市場と連携して機能している」と述べた。「市場の進化で教訓が得られているため、地方債市場の役割については依然として楽観的だ」(ソムジン氏)。
文=Thai PBS World ビジネスデスク
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