他人のせいにして落ち込む部下はどうする?
「馬鹿の山」に登っている最中にうまくいかないと、「他責」にしがちだ。なぜなら自信があるからだ。明らかに実力不足なのに、「まさかこの提案が通らないとは思わなかった。どうしてこの提案の良さをわかってくれないのだろう」などと勘違いしてしまう。
以前、自分の伝え方に問題があるのに、お客様の理解不足が原因と決めつけてしまっていた営業がいた。こんな姿勢であれば、いつまで経っても成長しない。
そういう部下に、「運が悪かったな」「次はうまくいくよ」と励ましてはならない。もちろんスルーすべきでもない。
「馬鹿の山」に登っていると伝えることは難しいので、自覚してもらうための働きかけが必要になる。そのためには正しい教育をすることが一番だ。
もしそれが難しいのであれば、歯に衣着せぬ物言いをするプロフェッショナルに指摘してもらおう。遅かれ早かれ、実力不足はバレるものだ。早めに気づかせてあげるのが親心というものである。
大事なのは「絶望の谷」に落ちた後
まだ実力がついていないのにビギナーズラックが続いただけで、自信を深めてしまう人は多い。だが、その分野で仕事をしている限り、大抵の人は「絶望の谷」に落ちる。
本物のプロフェッショナルと出会うか、体系的な教育を受けて、いかに自分がわかっていなかったか。実力不足を痛感するだろう。
だから「落ち込む」のである。「絶望の谷」に落ちたのだから、正しい落ち込み方、と言っていいだろう。
大事なことは、落ちてからどうするかである。「自分なんて、こんなもんか」と自信をなくすか。それとも「なにくそ」と自分を奮い立たせて、自己研鑽の道へと歩むのか。
マネジャーとしては当然、後者を選ぶよう促す。部下が「絶望の谷」に落ちていたら、「誰にでもあることだ」そう伝えればいい。
本物のプロフェッショナル(本当に成功した人)は、自己研鑽をやめることなどありえない。どんなにその道を極めたと自負しても、「これでいい」だなんて思わない。