(※写真はイメージです/PIXTA)

投資で成功するには、この投資手法ではダメという「負け投資」についても知っておくと有利です。本記事では『決算書3分速読から見つける10倍株ときどき50倍株 2年で資産を17.5倍に増やした元証券マンの投資術』(KADOKAWA)から、著者の〈かぶカブキ氏〉が、証券会社でディーラーをしていた時代の経験をもとに、絶対にマネしてはいけない投資手法を4つ取り上げ解説します。

失敗投資(2)チャートにらめっこデイトレ手法

根拠がわからない情報に踊らされるのではなく、確かな情報をもとにトレードしなければならないと思うようになって始めたのが、チャート分析です。

 

チャートは一定期間の株価をグラフ化したもので、過去の株価の推移から値動きのパターンや傾向を知ることができます。こうした客観的な情報を活用すれば、買い時や売り時を的確に判断できるのではないかと考えたのです。

 

特に僕が手がけていたデイトレードは、企業の業績よりも値動きそのものを見て判断することが求められるので、チャート分析は理にかなっているように思えました。そこで、チャートのしくみやチャートパターン、テクニカル指標を一生懸命学びました。

 

そして、デイトレードに向く5分足など短い足のチャートを凝視しながら、値動きの方向が転換するサインが出たらすぐに買いをいれるというトレードにチャレンジしたのです。

 

ところが、買いシグナルが出た瞬間に買っているはずなのに、なぜか急落し、損切りさせられることが続きました。チャートの理論通りに株価が動かない現象を「ダマシ」といいますが、まさにダマシにやられっぱなしでした。

 

こうして、文字通りチャートに騙され続けた結果、自分には、誰がいつ売るか、どこで買うかを正確に予想するなんて不可能だと悟りました。

 

失敗投資(3)材料が出た瞬間飛び乗る手法

金融ニュースや企業が公表するリリースに目を光らせて、株価を動かすニュース(材料)が出た瞬間に飛び乗るという手法も試しました。

 

たとえば、上場まもない新興企業が、大企業と業務提携するというニュースが発表されたとします。新興企業にとってはブランド力を持つ大企業と手を結んでビジネスができるのは大きなメリットで、業績への好影響が期待されます。

 

実際に、こうした良いニュースが出ると株価が急上昇するパターンはよく見られます。そこでこうしたニュースが出たら即、買いをいれるのですが、上昇する速度が速すぎて結局買い注文が成立するのはある程度上がってからになってしまいます。

 

しかも、そのニュースがどの程度業績に影響するのかを考える時間もないままとりあえず飛びつくので、どのぐらいまで株価が上がるのかも見当がつかず、利益確定のめどもわかりません。

 

現実に、よくわからないまま飛びつくトレーダーも多いようで、いったんは上昇してもその勢いは続かずすぐに下落に転じることもよくありました。その材料にどの程度の価値があるのかを判断できないまま、とりあえず飛びつくというのではイナゴトレードとさほど変わりません。この方法でも、やっぱり勝つことはできませんでした。

 

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