(※写真はイメージです/PIXTA)

投資で成功するには、この投資手法ではダメという「負け投資」についても知っておくと有利です。本記事では『決算書3分速読から見つける10倍株ときどき50倍株 2年で資産を17.5倍に増やした元証券マンの投資術』(KADOKAWA)から、著者の〈かぶカブキ氏〉が、証券会社でディーラーをしていた時代の経験をもとに、絶対にマネしてはいけない投資手法を4つ取り上げ解説します。

反面教師にしてほしい「失敗していた投資手法」とは

僕は証券会社でディーラーとして働いていた経験があります。ディーラーは企業の資金を使って株式や債券、為替などを売買するプロのことです。

 

プロのディーラーともなれば、個人投資家とはまったく違う情報を得て、個人投資家にはできない手法を駆使しているのでは、と思う人もいるかもしれません。

 

昔のことはわかりませんが、今はインターネットで誰でも瞬時に世界中の情報を得られる時代ですから、獲得できる情報にさほど大きな差はありません。

 

ましてや、取引はすべてディーラー個人の裁量に任されていたので、僕は懲りもせずに個人投資家と同じようなトレードを続けていました。

 

負け続けだったディーラー時代のトレードを振り返ると、完全な負けパターンができあがっていたような気がします。それも、多くの勝てない個人投資家が陥りがちな典型的な負けパターンです。せっかくなのでここで、僕の負けが込んだ投資手法を紹介します。絶対にマネをしないよう、反面教師として活用してください

 

失敗投資(1)Twitterイナゴトレード  

Twitterで有名な投資アカウントがつぶやく銘柄を、そのまま買うトレードです。インフルエンサーのつぶやきに多くの投資家がイナゴのように飛びついて急騰した銘柄は、まもなく急落します。このときの株価チャートは高く細い塔のような形になるので、それが「イナゴタワー」と言われているほどです。


そのプロセスは極めて単純で、有名なアカウントがAという銘柄について言及しているのを発見すると、すぐにその銘柄のチャートを確認します。たいてい、ものすごいスピードで上昇しており、「有名な投資インフルエンサーが言及するぐらいだからきっと抜群に良い銘柄に違いない」と、そのまま目をつぶって買ってしまうのです。

 

おそらくそのインフルエンサーが投稿するタイミングが、天井圏なのでしょう。投資してからしばらく経つと、それまでの急騰が嘘のように急落に転じるのが常でした。ついさっきまで含み益があったはずなのに、あっという間に含み損が拡大していきます。

 

慌てて損切りする羽目に追い込まれた結果、自分が勝手に飛びついただけなのに、インフルエンサーに騙されたような腹だたしい気持ちになるのです。しかも、損切りした後やわずかな利益で売却した後で、それをあざ笑うかのように急上昇を始めることも日常茶飯事でした。

 

「損切りせずに持っていれば爆益だったじゃないか……」と絶望することもあり、だからこそ、すぐにはやめることができませんでした。そして、懲りずにまた飛びついて、急落に遭い、怖くなってぶん投げるという往復ビンタを食らい続けるのです。

 

終わってみれば、わずか数十分の間に自分はどれだけハラハラさせられ、損を出したのかと思うと、徒労感でいっぱいになります。こうした取引は続けるほどに資金が減っていくので、さすがに長くは続けられず早々に足を洗いました。

 

根拠のない情報に飛びついて、恐怖と欲望のままに取引するイナゴトレードは、まさに最悪のトレードであることを学んだのです。

 

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