(※写真はイメージです/PIXTA)

2024年から始まった新NISA。世代を問わず高い関心を集めるなか、特に「中高年層」におけるNISA活用には思わぬ落とし穴もあるのです。本記事では、大倉さん(仮名)の事例とともに、中高年層のNISA活用における注意点についてFPの牧元拓也氏が解説します。

落とし穴1:再投資型で分配金が特定口座に、旧NISA投資分も

投資信託には分配金があります。分配金とは、運用によって得られた収益を決算ごとに投資家に分配するお金のことです。分配金には「受取型」と「再投資型」があり、どちらかを購入時に選択します。受取型を選択した場合はNISA口座であれば非課税で分配金を受け取ることが可能です。注意すべきは再投資型です。

 

分配金は再投資することでさらに資産を大きくしていくことができますが、NISAでの投資金額の状況によっては課税対象になる可能性があります。相談者の大倉さんもまさに再投資によって年間上限額を超えてしまっていたのです。

 

NISAの枠で年間上限額の360万円の投資をしている場合、再投資される分配金はNISAの枠を使えないため、特定口座で再投資が行われます。特定口座で投資された投資信託は利益に対して通常どおり20.315%の課税対象となります。また、特定口座であれば投資信託の購入後に分配金の受け取り方法の変更が可能ですが、NISA口座ではできません。

 

そしてさらに見落としがちなのは2023年までのNISA制度で購入していた投資信託の分配金については、再投資型を選択していた場合は自動的に特定口座で再投資が行われます。

落とし穴2:株式の配当金受け取り方法

NISA成長投資枠では個別企業の株式の購入が可能です。優待や配当金目当てで購入される方も多いでしょう。2023年7月1日に日本電信電話(NTT)が株式の25分割を実施しました。1株あたり180円前後となり、最低売買単位の100株でも2万円弱で購入できることから、多くの個人投資家から注目を集めました。

 

NISA口座で購入した株式の配当金は非課税で受け取ることができます。しかし、注意すべきは「配当金の受け取り方法」です。配当金の受け取り方法は下記のとおり3つあります。

 

出所:筆者作成
[図表3]配当金の受け取り方法 出所:筆者作成

 

株式の権利付き最終日までに変更できていないと、NISA口座で購入した株式の配当金も課税対象となる可能性がありますので、注意が必要です。

 

NISA口座で株式投資を行い、非課税で配当金を受け取るには「株式数比例配分方式」に設定されている必要があります。

 

複数の証券会社で口座をお持ちの場合、ひとつの証券会社で配当金の受取方法を変更すると、ほかの証券会社の受取方法も変更されます。

 

権利確定日に受取方法の変更が完了していない場合は、変更前の受取方法にて配当金が支払われますので、権利確定日前にNISA口座で株式を購入していたとしても、配当金受け取り方法が株式数比例配分方式となっていない場合には、非課税というNISAの恩恵を受けることができません。


 

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