部下を励ますための「不幸自慢」は“逆効果”…落ち込んでいる部下に上司がすべき「声かけ」のコツ【マネジメントのプロが解説】

部下を励ますための「不幸自慢」は“逆効果”…落ち込んでいる部下に上司がすべき「声かけ」のコツ【マネジメントのプロが解説】

誰しも仕事で落ち込むことはあります。部下が落ち込んでいるとき、上司はどのような対応をすべきなのでしょうか。そこで今回は、横山信弘氏による著書『若者に辞められると困るので、強く言えません』(東洋経済新報社)から、落ち込んでいる部下への“適切な”対応を見極めるコツについて解説します。

「失敗体験」を思い返すことのデメリット

ちなみに、これを読んでいるあなた自身はどうか。落ち込んでいるとき、誰かに

 

・励ましてもらいたいか?

・スルーしてもらいたいか?

 

過去を振り返って思い出してみよう。どうされたほうが嬉しかっただろうか。どんな風にされると、心にさざ波が立っただろうか。私だったら、

 

・スルーしてもらいたい

・そっとしておいてほしい

・声をかけないでほしい

 

と思っている。理由は、落ち込んだ要因を想起することで、「追体験」が始まってしまうからだ。もしも

 

「3日かけて提案書を作成したのに、お客様から『全然わかってない』と叱られたんです。聞いてください」

 

と言って、上司に一部始終を聞いてもらったとしよう。そうすることで、気分がスッキリするのは、その場だけではないか。

 

それよりも、お客様のことを考え、何日間もかけて提案書を作ったときの苦労がよみがえってこないか。にもかかわらず理解してくれなかったお客様の表情をまた思い出したりしないか。そのときにかけられた心ない言葉が、また脳内に乱反射しないだろうか。

 

成功体験なら、いくらでも話せばいい。うまくいったことを「追体験」することで、ドンドン自信が芽生えていく。そのプロセスを思い返して、

 

「次もこうしよう」

 

と決意を固められる。繰り返すことで、その成功が再現されていくのだ。しかし、失敗したこと、うまくいかなかったことを誰かに話すと、「追体験」をし、自信が失われていくのである。

 

人の思考プログラムは、過去の体験の「インパクト×回数」でできている。どんな体験であろうが、体験数は1回しかない。だから時間が経てば忘れてしまうのだが、何度も想起することで同じ出来事を何度も体験することになる。

 

思い返したくもない体験を、何度も「追体験」することで、自分の思考プログラムが変わっていってしまうのだ。

 

以前は自信があったのに、ドンドン自信がなくなってしまうこともある。だから、一生懸命にやったことでうまくいかなくても気にすることはないのだ。したがって、決して人に話す必要はない。そんな体験は1回すればいいだけだからだ。

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