(※画像はイメージです/PIXTA)

自分の死後を見据え、着々と準備を重ねてきた相続対策。しかし、資産の配分までしっかりと指定しておかなければ、せっかくの努力も水泡に帰すことも……。本記事では、相続対策において効果的に資産配分をする方法について、ティー・コンサル株式会社代表取締役でメガバンク・大手地銀出身の不動産鑑定士である小俣年穂氏が解説します。

あとは次の代に託した!

相続対策のために、税理士や不動産コンサルとも打合せを重ねて賃貸マンションの建築など実施してきた。計算によれば、相続税はかなり圧縮できたことから次の代の納税は可能であろう。

 

ここ数年、一生懸命に対策を進めてきたが、すでに自分自身は80代になっており、心身ともに衰えが進んできているように感じる。あとは、2人の息子と娘、その孫たちで協力しながら承継をしていって欲しい。

 

可能であれば、自分の代では先代からの資産を減らさずにできそうであるから、次の代でも減らさずに残していって欲しい。

相続対策が完了したらそこでおしまい!?

現在の法制度においては相続による資産の承継については「平等」が原則である。配偶者と子供がいれば、半分は配偶者、残りの半分は子供の数に応じて配分される。また、子供がいなければ、被相続人の親や兄弟姉妹が法定相続人となるため、自分の遺志を明確にしないまま相続が発生すると親族間で骨肉の争いになる可能性が高い。

 

また、地主家系であれば資産の大半は不動産が占めていることから、平等に配分するということも難しい。不動産は「一物四課」であり、相続税評価額が時価と大きくかけ離れていることが一般的であるから、改めて時価で相続資産を計算すると金融資産と不動産とでさらに大きな価格差が出る。

 

このようなケースでは、おそらく「遺産分割協議」は成立しない。金銭による代償分割を要求する相続人がいたり、不動産の共有による解決を図ろうとしたり、あるいは不動産を売却して現金での配分を図ろうとするケースなどが発生する。

 

なお、不動産の共有は問題の完全な先送りであり「悪手」である。相続人にさらに相続が発生すると共有者が多くなりすぎて「売却」や「修繕」など共有者全員の意思決定が必要な事項については合意困難となる。売却も同様であり、納税期限内に慌てて売却しようとすると、正常な状態で意思決定ができないため安く買いたたかれる可能性が高い。

 

このような状況に陥ってしまっては、せっかく努力をして対策をしてきても「水泡に帰す」ことになりかねない。
 

 

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