(※画像はイメージです/PIXTA)

自分の死後を見据え、着々と準備を重ねてきた相続対策。しかし、資産の配分までしっかりと指定しておかなければ、せっかくの努力も水泡に帰すことも……。本記事では、相続対策において効果的に資産配分をする方法について、ティー・コンサル株式会社代表取締役でメガバンク・大手地銀出身の不動産鑑定士である小俣年穂氏が解説します。

遺言を残そう

遺志を残すという点では「遺言」の作成が不可欠である。

 

「公正証書遺言」を残すことが望ましい

本件では、地主を対象として検討をしていることから作成にあたっては、専門家を招聘したうえで「公正証書遺言」を残すことが望ましいと考える。昨今では、法務局で保管する「自筆証書遺言保管制度」ができた。当該制度では通常の自筆証書遺言で必要となる「検認」手続きが不要となるし、手数料も以下のとおり数千円程度と安価で、とても利用しやすい制度である。

 

「法務局」サイトから引用
[図表1]遺言書にかかる手数料出所:「法務局」サイトから引用

 

※遺言書における保管の申請の撤回、および変更の届出については手数料はかかりません。

 

ただし、法務局では内容や遺留分についての検証を行うものではないことから、地主一族においては専門家と一緒に「公正証書遺言」を作成しておくことを推奨したい。

 

「遺言」を作成することで子供の取り分は遺留分(法定相続割合の半分)までとなることから、必ずしも平等でなくても相続人の遺留分を侵害していなければ文句は言えない。

 

遺言に「付言」を残す

また、「遺言」の内容にも留意したい。たとえば、「不動産〇〇は長男であるAに相続させる」など事務的な内容のみであると、配分の少なかった次男や、長女などは「親の面倒をたいして看なかったくせに、長男ばかり得して……」との不満を募らせやすい。したがって、遺言に「付言」を残すことが重要である。

 

たとえば、「次男に対しては、長男に比べて財産が少なくなっていることを申し訳なく思っていること、いままで一族のために貢献してきたことを見ていて感謝していること、資産についてはあくまでの一族の所有物との認識であり自分勝手に使うものではなく適切に次の代に承継していくものであること、そのためのサポートをして欲しいこと」など決定した理由を明確にすることが必要だ。

 

「付言」によって、すべてが解決するものではないが自分としての遺志を残して伝えるという点では効果があるように思う。
 

 

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