中国との貿易赤字が拡大
タイ経済にとって憂慮すべき問題は、長年にわたって安価な輸入品がタイの輸出品をはるかに上回っているため、中国との貿易赤字が増大していることである。
1月だけでも、タイから中国への輸出額は23億米ドル(約3,452億1,850万円)相当だったが、輸入額は68億米ドル(約1兆206億4,600万円)で、46億米ドル(約6,904億3700万円)の貿易赤字となった。これは昨年12月の29億米ドル(約4,352億7,550万円)、2022年1月の41億米ドル(約6,153億8,950万円)を上回る赤字である。
地元の製造業者は、中国からの安価な製品が地元市場に溢れ、地元の主な雇用源である地場産業が一掃される恐れがあると訴えている。地元経済界のリーダーたちは、地場産業を保護し、中国業者が自由貿易協定の抜け穴を利用するのを防ぐための何らかの措置を政府に求めている。
2005年に中国が世界貿易機関(WTO)に加盟して以来、タイと中国の双方向貿易は急速に拡大している。タイは何年も対中貿易赤字が続いており、そのギャップを埋める方法はまだ見つかっていない。
タイは、2002年には3億1,300万米ドル(約469億7,973万円)の対中貿易赤字を計上している。約10年後の2013年には105億米ドル(約1兆5,759億9,750万円)、昨年は366億米ドル(約5兆4,934億7,700万円)と3倍以上に急増した。昨年の双方向貿易は1,049億米ドル(約15兆7,449億6,550万円)で、タイから中国への輸出額は342億米ドル(約5兆1,332億4,900万円)、中国製品の輸入額は708億米ドル(約10兆6,267億2,600万円)だった。
中国からの主な輸入品目は、家電製品、生鮮・加工果物、衣類・靴、家具・室内装飾品、台所用品、バス・トラック、プラスチック製品、化学製品、電力機械・部品、コンピューター・部品、鉄鋼製品、鉱産物・金属くず、機械設備・部品などである。
安価な輸入製品が大量に出回っている主な3つの要因
セター・タウィーシン首相は、地場産業を支援することを約束した。また、同首相は、中国製品が大量に国内市場に出回っている背景には3つの重要な要因があることを認めた。
まず、輸入業者は7%の付加価値税の支払いを逃れるために、商品の価値を低く申告している。
第二に、中国の業者はオンラインショッピングでより安い商品をタイ市場に流し、自由貿易地域の抜け穴を利用して関税を逃れている。
そして第三に、関税を逃れるために輸入書類を偽造して中国製品を密輸入している。
セター首相によると、商工・銀行合同委員会を中心とする民間部門は、問題点と解決策を同氏に伝えたという。セター首相は最近、大蔵省、歳入局、関税局の高官に民間部門との問題を解決するよう命じた。
文=Thai PBS World ビジネスデスク
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