(※画像はイメージです/PIXTA)

王道な相続対策として、ローンを組んで賃貸用アパートを購入・建築する手法があります。ローンを組んだどきは大変でも、時がたてば、あのときの苦労などどこ吹く風……借りた本人が、自身の借入状況を忘れ去り、「借りっぱなし」状態となっているケースは多々あります。では、もしそのような状況下で相続が発生した場合、被相続人にどのような影響が出るのでしょうか。そもそも相続対策であったはずが、本末転倒です。本記事では、借りっぱなし状態のアパートローンの危険性について、ティー・コンサル株式会社代表取締役でメガバンク・大手地銀出身の不動産鑑定士である小俣年穂氏が解説します。

ローンを借りるのに苦労したのに…

不動産を購入するとき、不動産を建築するとき。

 

すでに融資取引のある銀行がない場合、いろいろな金融機関に相談を行い、金融機関から依頼のあったさまざまな資料を提出し、融資承認を受け、やっとのことで資金調達……そんな苦労をしたことがないだろうか。

 

その際には、金利がいくらか、ローン期間は何年か、担保は当該不動産のみで問題ないか、など不動産の収支計画と一生懸命にらめっこをして、最終的に意思決定を行い、借り入れたはずである。

 

その後、1年ほど過ぎて家族や友人に「この物件のローン金利はいくらなの?」「残りのローンはいくらなの?」「あと何年で完済するの?」「固定金利、変動金利のどちらで借りてるの?」などと不意に聞かれた際に、「うーん、たしかあのローンは……」という反応になるのがほとんどであると思われる(なかには即答できる方もいると思うが)。

 

そのような「借りっぱなし」の状況において、相続が発生した場合はどうなるだろうか。

 

当然、本人もいまいちよく把握していないローンのことであるから、相続人においてはなにがどのようになっているのかを紐解いていくのは非常に困難であろう。

 

ましてや、相続税の納税は10ヵ月以内と非常にタイトであるし、その間に法要や役所、銀行への諸手続き、準確定申告、相続人の確定から遺産分割協議の成立など相続人が対応しなければいけないことが目白押しである。

 

日々の仕事をしながら、相続の対応を進めていくとなると心身ともに大きな疲労がたまるし、相続人同士の話し合いにおいては、それぞれの配偶者も参戦した争奪戦になる可能性も大いにある。

 

せっかく、次世代のためによかれと思って取り組んできた対策についても、相続人の負担となってしまっては元も子もない。

 

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