外見を若返らせると「心」まで変化する
顔のシワやたるみが気になりはじめた時の対策にしても同様ではないでしょうか。ボトックスやリフティングなど、美容皮膚科や美容外科分野で行われる若返りのための努力を「反則」と思っていては、見た目が老けていくのは当たり前です。
外見を若々しく保つ目的で、そうした美容皮膚科や美容外科的なアプローチをすることについては、各人の生き方次第です。ただし、たとえば顔の形を変えるような美容整形手術に対する好悪、正邪は別にして、外見を若く保つことのメリットは、多くの人が想像する以上に大きいと思います。
「髪を増やしたいけど、急に増えたら陰口を言われるかも」「シワがいきなり減ったら、周りの注目を浴びそう」──などと気になるかもしれませんが、いざ清水の舞台から飛び降りてみると、心境が一変し、何事に対しても前向きになっている自分に気がつく人は少なくないようです。
男性ホルモンの減少やその他の理由による老化現象に抗うことなく、そのまま放置していると、様々な健康上のデメリットを生じさせます。
外見に関わる頭髪や顔のシワ、たるみに対しても、老け込んでいく自分の見た目に落ち込むことがあるかもしれないし、少なくとも若々しい気分でいるのは難しいと思います。
なお、日本の保険診療は「病気になったとき」は有効ですが、「今より元気になるため」の医療には使えないことがほとんどで、美容皮膚科や美容外科などは自費診療が基本です。歳をとって「今より元気になりたい」人は大勢いるのに、それが医療の対象になっていない現実があるのです。
しかし、「患者を幸せにする医療」「患者を若返らせる医療」という観点から考えると、内科などよりも美容皮膚科や美容外科のほうが優っているのではないか、とさえ私は考えています。
和田 秀樹
精神科医
※本記事は『老化恐怖症』(小学館)の一部を抜粋し、THE GOLD ONLINE編集部が本文を一部改変しております。