(※写真はイメージです/PIXTA)

老親がお風呂に入りたがらず、「うちの親、もしかして認知症かも…?」と悩む人は少なくありません。しかし、65歳以上で発症する老年性の認知症は、約10年ほどかけてゆっくり進行する場合がほとんど。つまり、疑うべきは別の病気なのです。本記事では和田秀樹氏の著書『老化恐怖症』(小学館)から一部抜粋し、認知症疑惑のときに役立つ情報を解説します。

「風呂に入らない」は認知症のサイン?

80歳を過ぎた親が、「風呂に入りたがらない」というケースはよく聞きます。この時、「風呂に入りたくない理由が何か」は、しっかり考えてあげなくてはいけません。

 

半年ぶりに実家に帰ったとした時、前日に「明日帰るから」と電話をかけておいたのに親がそのことを忘れている。かつ、何日も風呂に入っていないようで、体が臭う。若い頃から割とおしゃれな人だったのに、寝巻きからの着替えもしていないようだ――。

 

もし、半年ぶりに会った親のそんな場面に出くわしたら、大概の人は「認知症になったのでは」と疑い、心配するでしょう。

 

しかし、65歳以上で発症する老年性の認知症は、多くの場合、発症後にゆっくりと進行する病気です。大抵は物忘れから始まって、だんだんとその他の生活機能が衰えてくる。

 

ということは、もし、風呂に入らなくなった親が認知症であれば、前回会った半年前にも物忘れの症状があったはずです。

 

さらに一般論から言えば、老年性の認知症の場合、物忘れが始まってから、着替えをしなくなったり、風呂に入ったりしなくなるまでに、3年から5年はかかるはずです。

 

認知症は個人差が大きい病気でもあるので、まれに進行が速い場合もありますが、平均では、発症から10年ほどの時間をかけて進行する病気です。

 

それにもかかわらず、半年の間に物忘れが始まり、着替えもしなくなり、風呂にも入らなくなるとしたら、まず考えるべきは認知症ではなく、老人性の「うつ病」です。

認知症以上に怖い「老人性うつ」

長年、高齢者を診てきた精神科医として、認知症以上に怖いと思うのが「老人性うつ」を患うことです。

 

「うつは心の風邪」という言葉があります。「風邪をひくくらい誰にも身近な病気」といった意味ですが、私はむしろ「うつは心のがん」と表現するほうが正しいと思います。

 

それは、うつが自殺という「死に至る病」であることが理由です。欧米では、自殺者の生前の調査(心理学的剖検)により、その50〜80%が「うつ病だった」と診断されているほどです。

 

厚生労働省「患者調査」ではうつ病の患者数は120万人ですが、国際的な有病率3〜5%を日本の人口に当てはめると400万〜600万人。うつ病とは言えないまでも、抑うつ気分の人を含めると、人口の10%近くに達するというのが私を含めた専門家の見解です。

 

「老人性うつ」の患者数がどれくらいかは正確なデータがありませんが、人口の3割が高齢者で、うつ病発症率は若い人より中高年のほうが高いことを考えると、うつ病の全患者数の3分の1以上が高齢者であるとみて間違いないでしょう。

 

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