退職勧奨や配置転換といった措置を取りうる
店長に会社を辞めてもらいたい場合、解雇または退職勧奨といった選択肢があります。
他方で、直ちに契約を終了させたいわけではない場合、配転や出向などの人事上の措置や減給や降格などの懲戒といった選択肢があります。これらの手段のうち、解雇や退職勧奨はトラブルに発展しやすく、対処に労力を要するため、特に注意が必要です。
解雇は、ご相談者様の一方的な意思表示で契約終了の効果が発生する、いわゆるクビのことです。解雇は、労働者に多大な不利益を与えるため、①客観的に合理的な理由と②社会通念上の相当性があるときに限り、有効とされます。
ご相談いただいたケースでは、次の事情により①客観的に合理的な理由があるといえる可能性があります。
・職歴詐称…
実際には経験がないにもかかわらず、入社前から「顧客や従業員対応も経験がある」、「営業の実績もあるのでお任せください」と言い、ご相談者様を期待させた。
・能力不足…
仮に職歴詐称でないとしても、店長としての能力に欠け、閉店に至るきっかけを作った。
・会社批判…
日常的に会社やサービス内容について批判し、企業の秩序を乱した。
・ハラスメントまたは勤務態度不良…
他のスタッフの士気に配慮せず、日頃から負の感情を吐露し、職場環境を害した。
・経営上の必要性…
閉店に伴い、人員削減をしなければならなくなった。
②の相当性は、個別的な事情を総合的に考慮した結果、ご相談者様に店長の雇用喪失という不利益に相応する事情が存在していることが必要です。
ご提示いただいた事実をもとにしますと、最低でも次の事情を追加で確認していかなければなりません。
・詐称された経歴は、単なる詐称ではなく、信頼関係を損なう(企業秩序を侵害するほどの)重要な詐称といえるのか
・職務を店長と特定して採用したのか
・会社批判をしたとはいえ、正当な内部告発として認められる余地はないか
・ハラスメントや勤務態度について、注意や指導をしたか
・本当に経営状態に問題があるのか、会社全体の売上が横ばいで未処分利益剰余金は巨額にのぼるなど健全な状態なのではないか
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