今週の注目点…米景気とインフレ再燃に注目
冒頭でも述べたように、先週は米インフレ指標の上ぶれが大いに注目を集める結果となりました。
一方、景気指標では、小売売上高が予想を大きく下回る結果となり、米金利低下、米ドル売りで反応する場面もありましたが、結果的にはそれも限定的にとどまりました。
米景気の行方を考えるうえで、個人消費の動向は最大の鍵を握る要因ですが、1回の結果のみでは判断しかねるといった反応だったと考えられます。
先週の主な米経済指標の結果は以下の通りです。
〈13日〉
1月CPI総合……前回3.4%、予想2.9%、結果3.1%
同コア……前回3.9%、予想3.7%、結果3.9%
〈15日〉
1月小売売上高……前回0.6%、予想0.1%、結果-0.8%
2月NY連銀製造業景気指数……前回-43.7、予想-10、結果-2.4
〈16日〉
1月PPI総合……前回1%、予想0.6%、結果0.9%
同コア……前回1.8%、予想1.7%、結果2%
先週の動きを受けて、予想以上に強い米景気がいつまで続くかといったことに加え、それが米インフレ再燃をもたらしかねなくなってきたということも、マーケットの新たなテーマに追加されました。
この結果、早期利下げ期待の後退にとどまらず、再利上げの可能性も注目されはじめたようです。
そういったなかで、米金利上昇、それに伴う日米金利差米ドル優位がどこまで拡大するかが、米ドル/円にとっては最大のテーマとなります。よって、151.9円程度の米ドル高値をにらむ神経質な展開が続くのではないでしょうか。
以上を踏まえると、今週の米ドル/円の予想レンジは148~151.5円中心で想定します。
吉田 恒
マネックス証券
チーフ・FXコンサルタント兼マネックス・ユニバーシティFX学長
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