奨学金の仕組みを知る
我が家の子ども達は、奨学金のおかげで東大へ行けたようなものです。ありがたい奨学金ですが、実は色々なタイプがあることは、意外と知られていません。これは2022年12月現在のものなので、実際に使われる場合は変更されている可能性があります。使われるときは調べてください。
奨学金は大きく分けて2つあります。
②返済が必要な「貸与型」
返済不要な「給付型」は、経済困窮度や学力基準など条件が厳しく、採用人数も少なくなっています。返済が必要な「貸与型」の中にも、利子がかからない無利子型と、利子がかかる有利子型があります。
国の奨学金制度
奨学金と聞いて思い浮かぶのは、日本学生支援機構(JASSO)でしょう。私が大学生だったころは「日本育英会」という名称でした。当時、第1種は無利子貸与、第2種が利子付き貸与で、卒業後に教職につけば返済免除でした。「日本育英会」は、1943年に設立された「財団法人大日本育英会」が前身で、無利子の第1種か有利子の第2種かは、経済状況によって決まりました。
返せない人が増えている実情
数年前「奨学金が返済できない人が増えている」と盛んに報道されていましたが、それは「きぼうプラン21奨学金」という有利子で貸与額・人数も増やした制度で借りた人達に多いようです。
利子は高いときには1.7%を超え、「銀行の教育ローンの方が安い」ともいわれていました。高すぎるといわれた利子は下がり、2022年6月は「利率固定方式」が0.537%、「利率見直し方式」が0.040%となっています。
「日本育英会」は、他団体と合併し、2004年に現在の「独立行政法人日本学生支援機構(以後JASSO)」になりました。長男は、ここから無利子の奨学金の貸与を受け、今、働いて一生懸命返済しています。
新制度の誕生
この「JASSO」、2020年4月から制度が変わっています。新制度では、家庭の経済状況と学力基準によって、まず「給付型」か「貸与型」に分けられます。さらに「給付型」の中で、収入状況によって、第1区分から第3区分まで分けられ、給付額は[図表]のとおりです。(日本学生支援機構のホームページより)
新制度の素晴らしいところは、「給付型」に採用された場合、入学金と授業料が免除または減額になるところです。以前は、入学金の免除制度は全くありませんでした。
また授業料免除は各大学の学生課に、所得証明、住民票、兄弟の在学証明書、児童手当や児童扶養手当の書類など様々な書類を添えて半期ごとに申請しなければなりませんでした。その都度、通るか通らないか、全額免除か減免かわからないし、決定も6月頃でした。それが予約型になったので、高校在学中に奨学金給付、入学金と授業料免除の申請が一度の手続きでできるのです。入学前に決定されるというのは、画期的な制度だと思います。
なお、「給付型」の給付額は、先ほどの第1区分から第3区分内でそれぞれ、大学か高等専門学校か、自宅か自宅外によって決まっています。
高木 美保
学習塾・スクールオーク代表
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