遊びの材料は意外と身近にあふれている
身近な材料で作ったサイコロとイカ
長男が小1の頃、厚紙を切ってじょうずにサイコロを作ったことがありました。すごろくで必要になり、自宅になかったので自分で作ったのだと思います。立方体の展開図を学校で習うのは、高学年です。小1ですから、まだ立方体どころか、平面図形も習っていません。その時「上手にできたねえ!」と驚いた記憶があります。
ですが、本当に驚くのは、その後離婚して、小学校に勤務してからです。小6の算数の授業で立方体を学習した時、立方体の展開図をかけない児童が何人もいたのです。「小6でも展開図がかけない人がいるのに、あの時小1で誰にも教わらずにサイコロを作ったのか!」と。長男が小1で作れたのは、サイコロが要るという必要に迫られて、あれこれ考えたり切ったり組み立てたりした結果だったのでしょう。また日頃から、段ボールや雑紙で色々作っていたからこそ、作れたのだと思います。
上の写真の工作物は、長男が小6の夏休みに作った作品です。公園に落ちている枝を骨組みにして、麻ひもをまきつけてつくった「イカ」です。眼に電球をいれ、スイッチを押すと光るように作ってありました。題は「ごきげんイカが」です。あるコンテストで入賞しました。素朴で味があり素敵な作品なので、今も塾の教室に飾ってあります。
特別に道具をそろえたり、玩具を買い与えたりしなくても、子ども達は身近にあるもので十分に遊べます。遊びは自発的なもので、強制されるものではありません。だから楽しいし、ワクワクするのです。そしてその遊びを通して、実は様々な力が育っていくのだと思います。
ニュースを無料教材にするワケ
次の「身の周りにある教材」は、ニュースです。
中学の地理で初めに習う「世界の姿」を学習し終わった中学生に聞きました。「6大陸ってどこ?」「アメリカ大陸、アフリカ大陸、パキスタン大陸……」「え???」
びっくりしながらも、「でも、まあパキスタンという国名を知っていただけでも、よしとするか」と気を取り直して、続けます。「じゃ、フランスの首都はどこ?」「イタリア」「いやそれ国名だし」とまあ、こんな感じなのです。
徒達がいかに世界のことを知らないか、驚くことの連続です。国名も首都も場所なども、全く知らない生徒もいます。グローバル化が進み、インターネットで瞬時に世界が繋がり、地球の裏側で起こっているできことをリアルタイムで知ることができる現代において、です。多くの生徒はスマホを持っていて、調べれば世界のできごとがすぐにわかる状況にいるのに、です。
日本のことでもそうです。「佐賀県は東北地方」と答えたり、「関東平野」を「かんとうひらの」と読んだり、です。生徒達は勉強をしていないわけではありません。学校で習うだけでなく、塾で私も教えています。でも、県の名前も国の名前も知らない、あるいは右から左に流れていき、聞いたそばから忘れてしまうのです。どうしたらよいのでしょうか。
成績を上げたいならニュースを活用する
理科や社会ができるようになりたいなら、成績を上げたいなら、机にかじりついて問題集を解くばかりではなく、毎日ニュースに触れることをお勧めします。
この原稿を書いている現在は、連日ロシアとウクライナの戦争が報道されています。まずは「ウクライナってどこにあるんだろうね?」とお子さんに尋ねてみてください。お子さんが小学生なら、親子で地図を見てみましょう。場所を確認し、近くにどんな国があるのか調べたり、国旗を調べたりするのもよいですね。
年齢や興味関心によって疑問に思うことは様々でしょうが、話題はいくらでもあります。ニュースに触れていれば、子どもなりにも思うことは、色々あるのではないでしょうか。
杉原 杏璃 氏登壇!
「THE GOLD ONLINE フェス 2025 @東京国際フォーラム」
(入場無料)今すぐ申し込む>>