4月MPMに注目すべき理由
さらに、「(政策変更にあたっては)副作用の大きいものから修正していくのが基本である」、「イールドカーブ・コントロールやマイナス金利政策の在り方を議論するほか、オーバーシュート型コミットメントの検討も必要である」、「ETFとJ-REITの買入れについては、(中略)2%目標の持続的・安定的な実現が見通せるようになれば、買入れをやめるのが自然である」など、政策変更を前提として、その具体策に踏み込んだ発言も目立っている。
12月MPMの主な意見や議事要旨では、物価目標の達成を慎重に見極めていく必要性を主張する意見も複数見受けられたが、今回は総じて前向きな意見で占められている。
(今後の予想)
最近の日銀は、賃金・物価の好循環や物価目標の持続的・安定的な達成に対して前向きな情報発信が明らかに増えている。既に金融政策正常化を射程に収めて、殆どスタンバイ状態で最終的な見極め段階に入っているとみられる。
メインシナリオとしては、今春闘の集中回答(3月中旬)を経て、主に大企業の賃上げ動向を確認した後、日銀短観(4月1日)やその後の支店長会議で中小企業の動向を確認したうえで、「十分な見極めプロセスを踏んだ」ことをアピールしたうえで、4月MPM(4月25-26日)で正常化へと舵を切ると予想している。
手法については、このタイミングで、YCCの解除(現在「ゼロ%程度」としている長期金利操作目標を取り下げ)とともに、マイナス金利政策を撤廃、無担保コールレート誘導目標を0~0.1%で復活すると予想している。
一方、今春闘での賃上げの物価への波及には不透明感が残るうえ、物価上昇率が先行き2%から下振れするリスクも相応に残る。既述の通り、植田総裁も大きな不連続性を避ける政策運営姿勢を示唆している。
従って、4月の段階では、あくまで非常時の対応としての極端な緩和策を取りやめる措置に留めると見ている。
長期金利の上限目途(1.0%)や指値オペの枠組み、国債買入れは継続し、市場金利の過度の上昇を抑えて緩和的な金融環境を継続させる役割を担わせると想定している。
上記がメインシナリオだが、時期については多少前後にズレる事態も想定しておきたい。
日銀内において、「国内政治や米金融政策による逆風が強まって正常化のハードルが上がらないうちに、正常化に踏み切っておきたい」との意向が強くなる場合や、「物価目標達成の確度は十分高まっており、あとは春闘の集中回答結果を見れば十分」との意見が主流となれば、4月を待たずして、3月MPM(3月18-19日)への正常化の前倒しもあり得る。
1月MPM分の「主な意見」が想定以上にタカ派的であっただけに、前倒しの可能性がやや高まったと見ている。
逆に、当然ではあるが、この先経済に無視できない悪影響を及ぼしかねない不測の事態が起き、6月MPM以降へ後ろ倒しされる可能性もゼロではない。
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