国内金の価格は今後どう推移するのか
(国内金は円高進行の度合い次第)
国内金価格(大阪金先物・中心限月・終値ベース)にとっても、国際的な中心指標であるNY金の上昇はむろん上昇要因となるが、為替レートの動向がもう一つのカギとなる。
国内の金先物価格は、「NY金先物価格(ドル建て・グラム当たり)×ドル円レート(円/ドル)」に近似して動く(さもないと、裁定取引が可能になる)ためだ。従って、仮にNY金が上昇したとしても、その間に大幅な円高ドル安が進めば、国内金価格は下落しかねない。
今後、FRBが利下げに向かうことに加え、日銀が春に金融政策の正常化に踏み切ると見込まれることは、日米金利差の縮小を通じて円高ドル安に働くだろう。
そこで問題となるのは円高進行の度合いだ。筆者としては、FRBの利下げ、日銀の政策正常化はともに緩やかなペースで行われ(特に後者については年内の追加利上げはなし)、急激な円高ドル安は避けられると見ている。
また、今年の年初からNISA(少額投資非課税制度)の拡充に伴って、日本の家計による海外証券(株や投資信託)投資増加に伴う円売りフローの拡大が生じているとみられることも円高進行の抑制に寄与するだろう。
現時点では、NY金の上昇を打ち消すほど円高ドル安は進まないと見ており(具体的な予想はP9の表に記載)、今年年末時点の国内金価格は、現状よりやや高い1グラム10000円前後と予想している。
2.日銀金融政策(1月)
日銀)維持
日銀は1月22日~23日に開催した金融政策決定会合(以下、MPM)において、金融政策の現状維持を決定した。
長短金利操作(イールドカーブコントロール、以下YCC)、資産買入れ方針ともに変更なしであった(全員一致での決定)。フォワードガイダンスにも変更はなかった。
会合直後に公表された展望レポートでは、政策委員の大勢見通し(中央値)として、2024年度の消費者物価上昇率(除く生鮮食品)を前回10月時点の2.8%から2.4%へと下方修正した(総裁によれば、最近の原油価格下落が主因とのこと)ものの、25年度分は1.8%(前回は1.7%)と、引き続き2%未満ながら、やや上方修正した。消費者物価上昇率(除く生鮮食品・エネルギー)については、各年度ともに前回から不変であった。
展望レポートの文中では、「基調的な物価上昇率は見通し期間終盤にかけて物価安定目標に向けて徐々に高まっていくと考えられる」と表記したうえで、「(先行きの不確実性はなお高いものの、)こうした見通しが実現する確度は、引き続き、少しずつ高まっている」との文言が新たに追加された。
この表現は昨年秋頃から植田総裁が口頭で繰り返し用いてきたものだが、今回改めて公式文書に記載されることとなった。
また、「物価上昇を反映した賃上げが実現するとともに、賃金上昇が販売価格に反映されていくことを通じて、賃金と物価の好循環は強まっていくとみられる」との文言も別途加えられている。
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