日頃からニュースに触れることが大切な理由
テレビでもネットでも、子ども新聞でも構いません。とにかく「触れること」が大切です。ご飯を食べながらでもいいのです。まずはお子さんと一緒に、世の中や世界のことを知るようにしてください。そして、お子さんが少しでも興味をもつような声かけを心がけてください。
例えば、日本国憲法の前文に「恒久の平和を念願し」とあります。「恒久」と「永久」と「永遠」。意味も漢字も似ていますが、テストでは「恒久」でなければ不正解です。憲法に書かれている文言だからです。「恒久的に」という言葉、日常的には聞きなれませんが、ニュースでは使われます。
日頃からニュースに触れることによって、教科書に書いてある難しそうな単語も、聞き覚えのある言葉に代わるのです。するとぐっと定着が早くなり、理解も進みます。
天気予報を見るメリット
社会科に限りません。例えば、台風のニュースであれば、台風の時の天気図は晴れた日とどう違うのか、台風が発生するのはどんな気象条件なのか、どんな進路でどう消滅していくのかに触れられます。すべて中2の理科で習うことです。
天気が苦手な生徒は少なくありません。もし日頃から、天気図を使って解説する天気予報をニュースとセットで見ていれば、天気図と実際の天気の関係がおのずと理解できるようになるのではないでしょうか。例えば「西高東低」は典型的な冬型の天気図で、中学のテストでは必出問題です。毎日天気図を見て解説を聞いていれば、テストで天気図が出ても楽勝ですよね。
子どもの語彙力と知識を増やす
注意していただきたいのは、意識を持って見ることが大切だ、ということです。ただ漫然と眺めていても、何も頭には入ってこないでしょう。「これは何?」「どうなっているの?」という疑問を持ちながらニュースや天気予報を見れば、わからないことを調べようという気持ちも湧いてくるでしょう。
低学年のお子さんであれば、保護者の方が聞いてみてもよいですね。自分で疑問に思ったり調べたりして得た知識は、忘れないものです。人から聞いた知識は、すぐに忘れてしまったとしても、です。ニュースでは日頃使わない表現が出てくるので、語彙力も増えますし、知識も増えていきます。
毎日、ニュースと天気予報に触れさせてあげてください。そうすれば、学校で習っていることと、自分達の生活がつながっていることに気づくでしょう。
それに気がつけば、学校で習っていることに興味がわくかもしれません。興味がわけば、しめたものです。もし興味がわかなかったとしても、習っていることが理解しやすくなります。ニュースや天気予報から得るもの、身につく力は計り知れないのです。毎日ニュースに触れる、という日々の積み重ねが、理科や社会の基礎力作りにつながります。
高木 美保
学習塾・スクールオーク代表
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