(※写真はイメージです/PIXTA)

南青山、六本木、西麻布……都内屈指の繫華街を擁する港区。高所得者層が集まる街としても知られ、住民の平均年収は1,200万円です。一方で、華やかな大都会の片隅で生活に苦しむ貧困層がいます。「100均のアンパンマンチョコは贅沢すぎて買えない…」そんな声を漏らすのは、幼い子どもと2人、大都会を生き抜くシングルマザー。なぜ彼女は貧困に陥ったのか? なぜ家賃、物価の高い港区を離れられないのか? 直接お話を伺いました。

月の収入は最低生活費を超えているが…

貧困に苦しむ港区母子さんは、なぜ生活保護の受給要件を満たせないのでしょうか。生活保護を受給するには世帯収入が、厚生労働省の定める最低生活費以下である必要があります。「最低生活費と収入を比較し、収入が最低生活費に満たない場合に、最低生活費から収入を差し引いた差額が保護費として支給される」というシステムです。

 

港区母子さんは非正規雇用とはいえフルタイムでオフィスに勤務しており、月の収入がこの最低生活費を超えているため、生活保護を受給することができません。

 

ですが非正規雇用者が、生活保護を申請した時点の収入を毎月維持するのは決して容易では有りません。有給制度がない契約の場合、仕事を休んだ分だけ収入が減ります。

Q 月収入の変動はありますか?

「コロナ禍には子どもが通う保育園が2度の休園、親子でコロナ陽性、子どもの看病の長期化など、仕事を休まざるを得ない期間がつづきました。やむを得ず休職した月はついに収入0円になりました。

 

当時、病児保育は予約でいっぱいでした。役所の児童相談所に問い合わせましたが『仕事を休んで減った収入分の補助は出ない』という対応でした」

Q 収入0円の月は、生活費をどう捻出しましたか?

「わずかな貯金を使いました。私は離婚後、運よく都営住宅に当選して現在家賃は9,120円です。大変助かっています」

 

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