前回は、「現金・預貯金」で個人資産を保有する安全性について取り上げました。今回は、資産運用の手段として「FX」は有効なのかを見ていきます。

「FX」は株式投資より身近に感じる!?

FX(外国為替証拠金取引)も個人が利用できる投資商品として、ずいぶん浸透しました。「株式投資よりも簡単だ!」という人も少なくありません。たしかに、株式に比べると、選択肢は多くありません。株式の場合には、何千とある銘柄の中から、将来成長する企業を選ばなければなりませんが、FXの場合は為替が投資対象ですから、それほど種類はありません。ドル、ユーロ、ポンド、豪ドル、NZドルなど、代表的なものは限られています。

 

加えて、為替相場は株式相場よりも身近に感じる面があります。それは日常生活の中に為替相場が影響しているからです。海外旅行に行くときには、お小遣いを外貨に交換しますが、円高であれば少ない金額でより多くの外貨が手に入りますし、円安になればその逆になります。

 

また、為替相場は、輸入品の価格にも大きく影響しています。円安になると、ブランド品などの海外からの輸入品が値上がりしたりします。このように、為替相場の変動は実感として理解しやすいのです。その点が、株式投資よりも有利な点です。

自己資金の25倍までレバレッジを効かせることが可能

ところがFXでどのくらいの人が利益を得ているのかというと、ほとんどの人が損をしているという話もあります。損をするだけでなく、口座の資金をすべて失ってしまうことも多いというのです。

 

理由のひとつはレバレッジが利用できるということです。レバレッジとは、自己資金の何倍、何十倍の取引ができる仕組みです。FXの場合は、現在、自己資金の25倍まで取引ができるようになっています。これをレバレッジ25倍といいます。

 

たとえば、自己資金の10万円を口座に入れると、最大で250万円までの取引ができることを意味します。予想通りに相場が動いたときには、大きな利益が得られますが、予想と反対方向に動いたときには、大きな損失を被る可能性があるのです。

 

これでは投資というよりも博打といったほうがいいかもしれません。あなたの大事な資産を運用する手段として、ふさわしいとは言えないでしょう。

 

本連載は、2016年5月20日刊行の書籍『30歳から定年までで2億円つくるほったらかし資産運用術』から抜粋したものです。その後の税制改正等、最新の内容には対応していない可能性もございますので、あらかじめご了承ください。本書に記載された情報に関しては万全を期していますが、内容を保証するものではありません。また、本書の内容は著者の個人的な見解を解説したものであり、著者が所属する機関、組織、グループ等の意見を反映したものではありません。本書の情報を利用した結果による損害、損失についても、幻冬舎グループ、著者並びに本書制作関係者は一切の責任を負いません。投資のご判断はご自身の責任でお願いいたします。

30歳から定年までで2億円つくる ほったらかし資産運用術

30歳から定年までで2億円つくる ほったらかし資産運用術

宮園 泰人

幻冬舎メディアコンサルティング

年収減少、増税、年金不安・・・サラリーマンの老後はどん底貧乏間違いなし!! 「下流老人」「老後破産」・・・サラリーマンの多くが、老後の生活に不安を抱えています。定年後の安定した生活には最低1億円、ゆとりのある生…

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